[船橋招待U-18大会]桐光の田中雄大、中島翔哉を参考に「相手を倒すくらいの選手に」
ゲキサカ / 2017年4月3日 9時32分
小さくても倒れない。名門校の心臓部を担う小柄なキープレーヤーは、リオ五輪で輝いたアタッカーのプレーに刺激を受けていた。桐光学園高(神奈川)のボランチ、田中雄大は新しいシーズンの主将を任された。プリンスリーグ関東の開幕を目前に控えた3月末、頭の中はチームの改善でいっぱいだった。招待大会「船橋招待」のグループリーグでは、全国高校選手権の常連である京都橘高(京都)、東福岡高(福岡)と対戦したが、どちらも勝てなかった。田中は「今年は、飛び抜けた選手はいない。攻守ともにチーム全員で連動したい。もっと失点を少なくして、我慢をしてカウンターで勝つ試合も増やしていかないといけない」と課題を口にした。自身のプレーにも、チームの守備バランスと、攻撃参加への意欲との両立に四苦八苦している様子が見られた。
田中は、FC多摩に所属していた中学生時代、U-15日本代表候補に招集された。中盤を駆け回る機動力と、その中で質を落とさないプレーの精度が魅力だ。ボランチとして味方の守備陣からボールを引き出し、前線につなげ、さらに自身もゴールに関わる。
しかし、チーム状態を上げなければ、役割は限定されてしまう。「東福岡戦(1-3で逆転負け)は、チームとしてのレベルの差を感じた部分があったし、ああいう相手に対しても、自分一人で打開できるようになりたい。自分の背後を取って来る相手が気になった(ためにポジションが下がった)し、ボールを奪っても攻撃に移れなかった。良い守備でリズムを作って、そのまま攻撃に出たい。僕自身は、もっとモビリティーを出さないといけない」と自身の課題を指摘した。
それでも、中盤で守備から攻撃へのつなぎ役を果たし、相手と競り合って体勢を崩されながらもきっちりと通したスルーパスで先制のPKを演出するなど、底力を感じさせる部分は随所に見られた。身長160cmほどと小柄だが、体格を言い訳にするつもりはない。プロの世界に良いお手本もいる。
田中は「ボールを持てればやれる自信はあるけど、体が小さいので機動力を上げて行かないと、中盤で生き残れない。スプリントの量と質を上げたい。あとは、体幹の強さ。小さいから倒されるんじゃなくて、逆に相手を倒すくらいの選手になりたい。中島翔哉選手(FC東京)は、身長は僕と同じくらいなのに、競り合ってもしっかりとしている印象がある」と同じ身長160cm台で外国人相手にも堂々と向かって行くアタッカーに刺激を受けている。
機動力と当たりの強さを高め、中盤を支配してゴールを見据える。その先に、夢であるプロの世界が見えて来る。「プロの練習に一度参加してみたい。どういう世界なのか知りたい」と思いを馳せる。ただ、今は主将としてけん引するチームで結果を残すことが、まず大事だ。
田中は「昨年のプレミアリーグ参入戦では、ピッチの状態に苦戦してしまってボールを収められなかったし、守備でも戦えず、自分の出来が悪くて負けた。今度は、自分の力で勝って、交代にプレミアリーグの出場権をプレゼントしたい。プリンスリーグは負けなしで優勝したい」と力強く話した。背中で引っ張る主将の姿に期待がかかる。
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(取材・文 平野貴也)
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