[プレミアリーグEAST]王者・青森山田の新10番、郷家友太が求める強さと決定力
ゲキサカ / 2017年4月4日 19時34分
高円宮杯U-18サッカーリーグ2017プレミアリーグEAST
昨季は高橋壱晟(千葉)が背負い、かつて柴崎岳(テネリフェ)も背負った“青森山田高の10番”は、郷家友太に託された。「軽くない」という本人の言葉を借りるまでもなく、重責を意味する番号でもある。黒田剛監督は「(昨年からのレギュラーで)残っているのは二人しかいないのだから、やってもらわないと困る」という言葉を贈っているが、本人も「今季は自分がやらないといけないという気持ちはある」と特別な自覚をもって臨むシーズンとなる。
今年2月にはU-18日本代表へ初招集を受け、スペインで行われた国際ユース大会にも参加して大いに刺激を受けた。「バルサの選手とかはやっぱりパスが上手いし、単純に足の速さとか能力が違う」とU-18スペイン代表や同ベルギー代表の個々のクオリティーに驚きながら、同時に「もっとこういうところでやりたい」という自分の“欲”も意識することとなった。
FWでプレーしたことで「いい位置へ走り出せば絶対にパスが出てくる」という周囲の高レベルゆえに味わえる高揚感を得ると同時に、「(チャンスで)決め切れないと上に行けない」ということも痛感した。先の高校サッカー選手権では“ロングスロー”という飛び道具が強く注目を集めたが、今季は10番らしくゴールにこだわっていく考えだ。「リーダーシップをもっと執りながら、結果にこだわっていきたい」(郷家)と意気込む。その結果は、代表チームへの継続選出という個人としての目標にも繋がっていくはずだ。
器用さを生かして中盤中央でパスワークの起点になれるし、長身を生かしてターゲットマンにもなれ、サイドに開けばドリブルで勝負もできるしロングスローもある。青森山田での日々を通じて、「(仙台JYに在籍していた)中学時代は全然やっていなかった」という球際の守備力も向上し、運動量も確実に増えた。ここに上乗せするべきはゴールを奪っていくためのゴール前への飛び出しと決定力。それはまさしく“10番”の仕事だ。
初めてディフェンディングチャンピオンとして高円宮杯プレミアリーグEASTの開幕を迎えることとなった青森山田だが、新チームになってからの戦績は必ずしも良いものではなかった。もちろん雪に閉ざされる土地柄ゆえに例年も決して良いゲームを重ねられている時期ではないのだが、昨季の栄光を知る周囲の目は自然と厳しくなるというもの。10番を背負う郷家には重圧を跳ね除けるだけの強さが求められるわけだが、同時にこの重すぎるプレッシャーを成長の糧へと変換できるようなら、いよいよ青森山田の新10番は日の丸にふさわしい選手になっているに違いない。
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