試合終盤にGKまでのプレス連発。日本高校選抜の主将、MF住永翔が伝えたかったメッセージ
ゲキサカ / 2017年4月8日 9時49分
[4.7 練習試合 日本高校選抜 3-1 流通経済大]
背中で仲間達に示した。30分×3本行われた練習試合の3本目、日本高校選抜主将のMF住永翔(青森山田高→明治大)がボランチの位置から幾度も大きく飛び出して相手GKや最終ラインの選手にプレッシャーをかけていた。試合序盤から中盤でMF金子大毅(市立船橋高→神奈川大)とともに運動量多く走り回っていた住永が、最終3本目でさらに上げたギア。苦しい思いをしても勝ちたかったし、これから勝っていくために伝えたいメッセージがあった。
「GKまでとか(プレッシングに)行ったりしたことは、こういう状況になったら行けって言うのを(前線の選手達に)示したかった。FWはどうしても後ろの声のタイミングで判断して、その声で行くというのが全てだったので、『ここは行ける』と思ったら行けっていうのを伝えたかった」
この日、日本高校選抜は2本目終盤から1トップを2トップ気味の布陣へ変更。住永の動きは2トップの守備の追い込み方を仲間達に示すという意図もあった。実際に住永が置い続けたことで相手GKのミスを誘発。そこからチャンスが生まれていた。住永は「今日は中盤開けてでも行っておきたかった。(デュッセルドルフ国際ユース大会の)本戦になったら(自分が)リスク背負ってまで、行かないと思う。(前線の選手達が)やってくれれば自分達も助かる。スイッチ入れるのは自分達ではなくてFW。やってくれるといい守備になる。もっと相手のミスを誘うには前から行くことだと思う。ミスを誘うような守備をやってもらいたい」。欧州遠征、優勝を目指すデュッセルドルフ国際ユース大会前のタイミングの今だからこそ、身をもって伝えたかった。
チームのために走った住永は“日本の心臓”になる決意がある。守備面での貢献度は非常に大きかったが、もっとCBに負担をかけない守備をして、相手の中盤にサイドチェンジされないようなポジションを取り、球際の攻防で負けず、同時にもっと攻撃に顔を出すなど攻守において仕事量を増やすことを目指している。自分と金子のダブルボランチが崩れたら、高校選抜が動揺してしまう、だからこそ、やらなければならないという覚悟。怯むようなことは絶対にしない。この日、ファウル覚悟で相手の突破を止めたシーンもあったが、「足元の技術よりも闘争心をむき出しに出して、戦うところから始めないといけない」と何より全力で戦うことを誓った。
高校選手権、プレミアリーグの2冠を達成した青森山田では黒子的な存在だった。高校選手権での選手宣誓やキャプテンシーに注目が集まるが、その戦術眼、技術面などもっと評価されてもいい選手の一人。1月に行われた青森山田のイングランド遠征でも個のレベルの高さを示していた。「海外っていうのは日本と違う部分があるのでふつうにやっていたらダメだぞと言い聞かせています」という欧州の舞台で日本高校選抜の主将・住永が、自身の武器も最大限に出しながら、頼もしい仲間達とともに白星を重ねる。
(取材・文 吉田太郎)●日本高校選抜欧州遠征特設ページ
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