[プレミアリーグEAST]熱闘。FC東京U-18との“ゴラッソ・ラッシュ”を清水ユースが制す
ゲキサカ / 2017年4月9日 9時23分
[4.8 高円宮杯プレミアリーグEAST第1節 FC東京U-18 2-3 清水ユース 味スタ西]
8日、高校年代最高峰のリーグ戦、高円宮杯U-18サッカーリーグ2017 プレミアリーグEAST第1節において、前年度準優勝のFC東京U-18(東京)と同6位の清水エスパルスユース(静岡)が対戦。清水が常に先行する流れから、最後はFW鈴木魁人によるアディショナルタイムでの劇的決勝ゴールで3-2と勝ち越し、熱闘を制した。
「立ち上がりからみんな少し硬かった」と主将のDF岡庭愁人が首をひねったように、序盤からFC東京の攻守が上手く噛み合わない。対する清水にも緊張感はあったが、それを吹き飛ばすゴールが17分に生まれる。センターサークル付近で前を向いた清水FW平墳迅の左足から放たれた超ロングシュートは、前がかりのポジションを取っていたGKの頭上を破り、ゴールネットを揺らす。紛れもない「スーパーゴール」(岡庭)は、清水側にとっては「あの1点で(心理的に)ラクになった」(DF監物拓歩)ものだった。
これで清水ペースに傾いたかにも思えた試合の天秤だが、FC東京には試合の流れを個人でひっくり返せる選手がいた。25分、中央をドリブルで破ったU-20日本代表FW久保建英は倒されて得たFKを自らセット。「あそこは彼の得意な位置」(佐藤一樹監督)という言葉どおり、左足から放たれたFKは鮮やかな軌道でゴールへと流し込まれ、FC東京があっさりと同点に追い付く。
だが、対する清水にも驚異のFK砲はあった。同点からわずか3分後の28分。ゴール正面左寄りで得たFKのチャンスとなると、思い切り打ったシュートが壁に当たって、これがハンドリングの反則に。壁までの9.15m分だけ“前進”しての再キックを、MF滝裕太が右足で強振。スピードに乗った弾道がFC東京ゴールを再び破り、2-1と勝ち越しに成功した。
ここからは逃げる清水、追うFC東京という構図となったが、清水はU-17日本代表DF監物が、「僕もビックリするくらい素晴らしかった」と平岡宏章監督も激賞するパフォーマンスでFC東京の攻撃を跳ね返すなど、粘り強く防戦。GK梅田透吾の安定感も光っており、なかなかスキを与えなかった。
若き青赤軍団にとっては何とも苦しい流れだったが、ここを跳ね返すのも個の力。21分、ゴール前中央でボールを受けたU-17日本代表MF平川怜が魅せる。センターサークルでボールを受けた状況からドリブル猛進。エリア手前に来た段階でパスコースはあり、「いままでだったらパスをしていたかもしれない」というシチュエーションだったが、選択したのはミドルシュート。しっかりコースに飛ばしたシュートから同点ゴールを奪い取った。「得点に関わるのが自分の課題」と語るレジスタによる、進化への第一歩を印象づける一撃だった。
2-2のタイスコアのまま試合は推移。清水・平岡監督は「『引き分けでも御の字』かなと思っていた」と率直に振り返る。実際、同点ゴール以降はFC東京が優勢。26分に滝の突破から生まれた絶好機でMF新開成弥のヘディングがバーを叩き、こぼれを狙ったMF佐塚洋介のヘッドも枠外にそれた時点で、清水の勝機はしぼんだかに見えていた。
しかし、試合はアディショナルタイムまで分からないもの。49分、スローインから「(佐塚)洋介がよく粘ってくれた」(鈴木)流れから、こぼれ球を拾った「清水の10番」が左足を振り抜く。ここまで沈黙を続けてきたエースの一発が最後の最後で試合を動かし、“ゴラッソ・ラッシュ”となったゲームを締めくくった。
(取材・文 川端暁彦)●2017プレミアリーグEAST
●2017プレミアリーグWEST
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