広島MF松本泰志、プロの自覚と責任を持って高校選抜を牽引、勝たせる決意
ゲキサカ / 2017年4月15日 12時33分
Jリーガーとしてチームを引っ張る責任がある。MF松本泰志(昌平高→広島)は現在、第55回デュッセルドルフ国際ユース大会に出場している日本高校選抜のフィールドプレーヤーで唯一のJリーガー。立正大淞南高時代に日本高校選抜の欧州遠征を経験している広島の先輩DF高橋壮也から「(海外の選手とのプレーなどは)めっちゃ楽しいから楽しんでこい」とアドバイスされたというMFは、楽しむと同時にチームを勝たせる義務があると考えている。それだけに、「プロとして、自覚と責任もってプレーで引っ張れるようにやっていきたいと思っています」と力を込めた。
松本はフォルトゥナ・デュッセルドルフとの開幕戦(13日)では左MFとして先発。左SB杉山弾斗(市立船橋高3年)とのコンビネーションの良さなどを期待されての起用だったが、なかなかボールに絡むことができなかった。キープ力を発揮した場面もあったが、チーム全体のミスが多い中、ボールを受けても自陣というシーンが多く、良い形でドリブルをすることができず。クロスへ持ち込むこともできなかった。
「カウンターからの一本が繋がればサイドまでボールが回ってくるんですけど、相手のプレスとかにハマっていた部分があった。ハーフタイムに改善できれば良かったんですけど、後半もそのまま1本が繋がらずに来てしまって、サイドにあまりボールが入らないという状況だった。次の試合は一本を大事にしようときょう(14日)の練習でも確認しましたし、次の試合ではもうちょっと多くボールにかかわりたいと思います」
開幕戦は不満の内容に終わったが、今回の遠征で欧州の選手と自分の力を比較することができている。「本当フィジカルに関しては自分が想像していた以上に凄くて、でも足下の技術に関しては通用するかなという手応えがあります」。現在、広島では主にボランチとしてプレー。日本高校選抜では昌平でも務めていた左サイドでのプレーとなっているが、この位置でプレーすることが自身の幅を広げると感じている。
「広島に戻った時のプレーの幅も広がると思うし、広島でボランチやっていてこっちでは左サイドなので頭使うところが違うというか、考え方も変わってくる。今楽しいですし、頭の使い方はとてもいい成長ができているかなと思います」
今回の欧州遠征で特に身につけたい部分がある。それは打開力。一人で局面を打開できれば、時にボランチの位置からでも相手の守りをこじ開けたり、シャドーやサイドで出場した際にも必ず活かすことができる。高校選抜ではボールを持った際のサポートが広島ほど速くないため、パスをつけるよりも個で勝負する回数が多くなっている点をいい意味で自分のプラスに変えること。「自分がどうにかしていくというところで打開力というところでは良い成長ができていると思います。強い相手にどれだけ上手く身体を当てられてもそれを勢いにしたりしてやっていかないといけない」
15日はマインツ、ザルツブルクという強豪との2試合。参加10チームの頂点に立つためには負けられない試合が続く。連戦、そして硬いピッチと簡単ではない状況の中での2試合となるが、プロとして「最高のパフォーマンスできるようにしていきたいと思っています」。昨年の全国高校総体でゴールやクロスからのアシストなどで初出場の昌平を3位へ導き、プロ入りを勝ち取った注目MFが、目に見える結果を残してチームを勝たせる。
(取材・文 吉田太郎)●日本高校選抜欧州遠征特設ページ
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