同学年の「大きな存在」に追いつき、乗り越える。U-20代表候補CB中川創は逆転負けの悔しさもエネルギーに
ゲキサカ / 2017年5月14日 7時28分
[5.13 練習試合 U-20日本代表候補 1-2 U-20アメリカ代表 舞洲]
現在は必死にライバルの背中を追いかけている段階。自身が「大きな存在」と評するDFを乗り越えるためにチャレンジして、やり続ける。
U-20日本代表候補のDF中川創(柏U-18)はU-16、U-17、U-18日本代表と着実にステップアップしてきた期待の長身CBだ。この日は、トレーニングパートナーとしてU-20W杯日本代表合宿へ合流した橋岡大樹(浦和ユース)や負傷の影響で欠場した立田悠悟(清水)に代わって最終ラインを統率。U-20アメリカ代表の強力アタッカー陣の仕掛けに対し、ゴール前で踏ん張り、CB阿部海大(東福岡高)とともに良く切り抜けていた。
落ち着いて周りを見渡し、危険の芽を摘み取る印象の中川は判断速く逆サイド裏のスペースまでカバー。ビルドアップを得意とするCBは時にボールを奪った流れでそのままスペースを突いて攻め上がるシーンもあった。また後方から良く声を発してチームを鼓舞。それでも、チームは1点のリードを守れなかった。
1-1で迎えた後半44分の失点シーンで中川はDFラインの前で跳ね上がったルーズボールを処理できず。日本はそこから一気に攻め込まれて決勝点を奪われてしまう。「一個のプレーで試合決まっちゃうんだなと改めて感じたので、もっとちゃんと弾けたり、一個のパスを通すことをやっていかないと……。10月に(19年U-20W杯)アジア(1次)予選が控えているのでやっていきたいです」と改善を誓っていた。
中川は「チームの雰囲気が悪かった時に自分の声だったり、一つのプレーでチーム全員を盛り上げたり、流れをこっちに持って来れるようなそういう選手になっていきたい」と目標とする姿を口にする。前日のフォーメーション練習では「ここまで、怒鳴るような声を出す選手だったか」と感じさせるほどに大声で味方選手を動かしていた姿があった。
もちろん、チームを高めるために発した声だったが、それは意識している存在に負けないためのものでもあった。中川にとって同学年の橋岡は「小さい頃から意識している存在」なのだという。
「彼の方が代表に入っている回数とか、上の年代にかかわっている回数とか、2種登録も彼の方が早かった。橋岡の存在は自分の中でも大きい。自分よりも上手かったり、選手としても尊敬しているので、自分何で勝つかと言ったら(声でも負けないようにしたいが)、橋岡に比べるとまだまだ全然足りないです」
U-18日本代表や今回の合宿でも一緒にプレーすると、まだまだ自分の力が足りないと痛感させられている。今回のU-20アメリカ代表戦はその橋岡も「出たかった」と言っていた一戦。「何とか自分たちが勝って、橋岡に『どうだ』と言いたかったんですけど」悔しい逆転負けに終わった。だが、できていた部分も非常に多い。それだけに、自信も持ち帰って柏でのトレーニングに励み、また成長して「大きな存在」との差を詰める。
(取材・文 吉田太郎)
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