「サンドバッグ状態」から流れ一変の豪快ミドル、鄭大世は2発もハットの敵エースを称える
ゲキサカ / 2017年5月20日 18時24分
[5.20 J1第12節 浦和3-3清水 埼玉]
試合の流れを一変させた。0-2で迎えた後半19分、清水エスパルスは縦パスを受けたFW鄭大世がPA左角から左足を一閃。豪快なミドルシュートがゴール右上隅に突き刺さり、1点を返した。
「シュートはまぐれ」という自分でも驚く一撃だったが、「0-2になってだれもあきらめていなかったし、1点取れば流れは変わると思っていた」という言葉どおり、エースの6試合ぶりゴールで清水が息を吹き返す。
後半24分、MFミッチェル・デュークのシュートがポストに当たったこぼれ球を再び鄭大世が押し込み、2-2の同点。さらに2分後の26分にはMFチアゴ・アウベスの鮮やかな左足ミドルが決まって3-2と逆転した。
鄭大世自身、こんな展開になるとは予想もできなかった。「(浦和は)強かったです。本当に強かった。川崎も強いと思ったけど、今日はさらにレベルが違う相手だった」。特に前半は「どうプレッシャーに行っても決定機に持っていかれる。暖簾に腕押しというか、サンドバッグ状態で、手も足も出なかった」と、勝機を見い出すどころではなかった。
それが自分のゴールから流れが変わり、一時逆転までいくのだから「サッカーは分からない」。0-2となった時点では「大量失点の不安もよぎった」というが、「あきらめている選手はいなかったし、力の差があっても、あきらめない精神力が勝敗を左右するんだなと感じた」と、あらためて大事なことに気づかされた。
もちろん、3-2のまま逃げ切りたいところだったが、そこは浦和にも意地があった。逆転ゴールから3分後、FW興梠慎三にハットトリックを許し、3-3の引き分け。両エースが存在感を見せたが、鄭大世は“エース対決”について「負けです。興梠選手はレベルが違う。3点と2点で開きもあるけど、彼は点を取るだけじゃない。スマートな選手だし、そこが自分と違う」と、素直に敵エースを称えていた。
(取材・文 西山紘平)
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