苦しみながらも決め所と粘り所抑えて四中工撃破!宇治山田商が初となる夏の決勝へ!:三重
ゲキサカ / 2017年5月28日 8時29分
[5.27 全国高校総体三重県予選準決勝 宇治山田商高 1-0 四日市中央工高 三重交通G スポーツの杜 鈴鹿]
平成29年度全国高校総体「はばたけ世界へ 南東北総体2017」サッカー競技(宮城)三重県予選準決勝が27日に行われ、初の全国総体出場を目指す宇治山田商高が四日市中央工高に1-0で勝利。三重高と戦う決勝(28日)進出を決めた。
序盤から試合の主導権を握ったのは四中工。主将のDF内藤祐輔(3年)が、「自分たちの思った通りのサッカーができた」と振り返ったように、ボランチのMF大辻隼也(3年)を起点に左のMF江口和磨(2年)やFW亀田哲汰(3年)らの飛び出しを引き出すと、サイドから中への折り返しから得点チャンスを伺った。前半12分には、MF矢田聖真(2年)のスルーパスに亀田がDF裏で反応。スライディングでゴールを狙ったが、シュートは枠を捕らえることができない。29分にも左サイドを上がったDF高橋卓寛(3年)の低いクロスを亀田がダイビングヘッドで合わせに行ったが、わずかに合わず。その後も、チャンスを作りながら、無得点で前半を終えた。
対する宇治山田商が、前半に放ったシュートは0本。「こんな出来なのに、0-0で試合を折り返せたのはラッキー」(古西祥監督)という内容で前半を終えたが、ハーフタイムに「残り35分、自分たちがやりたいサッカーをしなければ自分たちが後悔する。ここまで来たなら楽しんで全力でサッカーをしようと皆で声を掛け合った」(MF右江海斗、3年)ことが奏功。後半からは、MF植村侑馬(3年)と右江のボランチを起点に、今年の武器であるサイド攻撃を繰り返し、四中工ゴールに迫った。
均衡が崩れたのは後半15分だった。左サイドでボールを持った宇治山田商FW赤塚一生(3年)が中央にマイナスのパスを配球。走り込んだ右江が「今までの試合では同じ場所でボールを受けてもパスを選ぶことが多く、スタッフから『一度思い切って、打ってみろ』と言われていた。今日は思い切って、振り切ったら良いコースに飛んでいった」と振り返った一撃がゴール右隅に突き刺さった。
残り10分を切ってからは、同点を狙った四中工の猛攻を受けたが、「四中工は、試合の終盤に強いので、気持ちでは負けないように意識していた。相手が前から来たので、ピンチが続いたけど、そこをしっかり凌げたのが大きい」(DF村島弘規、3年)と気迫のこもった守備でシャットアウト。1点のリードを保ったまま試合を終え、指揮官は「四中工さんに苦しめられて、厳しいゲームになったけど、決め所と粘り所を抑えることができて良い結果に繋がった」と選手を称えた。
今年は2月に新人戦で県の頂点に立ち幸先の良いスタートを切ったが、以降は「気持ちをすぐに切り替えたつもりだったけど、どこかに気の緩みがあった」(右江)ことが原因で、県1部リーグや練習試合で白星を取りこぼす試合が続いた。だが、県総体に入り、チームが再び発奮。この日は、「宇治山田商業は県総体の決勝進出がこれまでなかったので、いつも以上に熱くなっていた」と主将のGK葉金右大桂(3年)が口にしたように、チームの歴史を塗り替えようと、懸命に戦った。
残る試合はあと1つ。県1部リーグでは敗れた三重高が相手だが、「出ている選手は、全員3年生なので今年にかける想いは強い。絶対に全国に出たい」と村島が意気込むように、宇治山田商には勝利の二文字しか見えていない。
(取材・文 森田将義)●【特設】高校総体2017
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