「本当に本当に頑張ってほしい」 無念の負傷離脱…小川航基は東京五輪での爆発を誓う
ゲキサカ / 2017年5月28日 5時51分
[5.27 U-20W杯GL第3節 U-20日本 2-2 U-20イタリア 天安]
絶対エースとして臨んだ大会だった。事前合宿からの好調を維持し、21日の南アフリカ戦ではチームの大会初ゴールを記録。U-20W杯でも得点を量産するかと期待が膨らんだが、24日ウルグアイ戦の前半16分にU-20日本代表FW小川航基(磐田)をアクシデントが襲う。着地の際に負傷すると、そのままピッチを後に。病院で検査を受けた結果、左前十字靭帯断裂および左ヒザ半月板損傷と診断され、チームを離脱することが決まった――。
あれから3日、松葉杖をついた小川はグループリーグ突破を懸けたイタリア戦を、スタンドから観戦。前半7分までに2失点を喫する苦しい展開となったが、「ボールを持てていたし、絶対に(相手の運動量が)落ちてくると思った。チャンスは出てくるので、そのチャンスを決め切れば問題ないと思った」と試合を見守った。
すると、前半22分にMF遠藤渓太(横浜FM)のクロスをMF堂安律(G大阪)がダイレクトで合わせてネットを揺らし、1点を返す。さらに後半5分にはMF市丸瑞希(G大阪)の縦パスを受けた堂安が、寄せてくる相手を次々とかわしてゴールを陥れ、試合を振り出しに戻した。そして、堂安はゴールパフォーマンスで小川が背負ってきた背番号9のユニフォームを高々と掲げた。
「画になるかなと思って(笑)」とおどけた堂安だが、小川への思いを語る。試合前に小川と会話をしたことを明かし、「無駄に試合の話をしても辛いと思うので、その話はしなかった。自分ができることはピッチ上で表現して、ああやって勇気付けることやと思う。自分の中では、あいつのために今日は戦おうと思っていたので、感動できるような試合はできたかなと思います」と続けた。
そのパフォーマンスを見た小川は感謝を伝える。「本当に心の底から応援していました。ああやって自分のユニフォームを掲げてくれて、すごく嬉しかった。それも律が決めたことで、また嬉しかった。やってくれるんじゃないかなと思っていたので。決勝トーナメントに上がれて良かったと思う」。
全治等は詳細にはなっていないが、おそらく長いリハビリの期間が待っている。だが、下は向かない。「起きてしまったことは仕方ないので、何とか早めに切り替えて、やっていかないといけない。一流の選手というのは、ケガなく順風満帆にやってきたわけではない」と前を向く。
「このチームが躍進してくれれば、あいつらも頑張っているなら、俺も頑張らないといけない。本当に本当に頑張ってほしい」。これからも大会を戦うチームにエールを贈ると、自身の新たな目標を話した。「この大会(U-20W杯)も本当に大事な、自分の人生を賭けたいくらい気持ちを入れてやっていた」と前置きしつつも、「東京五輪が3年後にあるので。東京五輪で爆発できるように、この期間を無駄にしたらいけないと思います」とこの世代の絶対エースは、20年東京五輪に向けて歩みを進めて行く。
(取材・文 折戸岳彦)●U-20ワールドカップ韓国2017特集ページ
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