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怪物FWが怪物DFに? 三国ケネディエブスがCBへ大胆コンバート

ゲキサカ / 2017年6月21日 9時20分

CBでの挑戦をスタートした青森山田高の三国ケネディエブス

[6.19 東北高校選手権決勝 青森山田高 3-0 尚志高 岩手県営運動公園陸上競技場]

 ビックリコンバートだった。青森山田高の元U-16日本代表候補FW三国ケネディエブスが6月16日から19日にかけて行われた東北高校サッカー選手権大会においてCBへと本格的に転向。大会初戦でDFとして公式戦初先発を果たすと、決勝までの4試合をCBとして戦い抜いた。

 これまでも相手のパワープレー対応などで試合終盤にストッパーとして入ることはあった。192cmの長身は“防空要員”として十分に計算できるからだ。高円宮杯プレミアリーグEASTの市立船橋高戦などで実際にそうした起用もあった。

 だが、試合終盤にスポットでCBに入るのと、スタートからCBとして入るのではまったく違う。三国も「最初は難しかった」と笑うが、この驚きのコンバートは監督命令というわけではない。「自分から言いに行った」結果だった。

 言いに行ったのは春休みの遠征の途上だった。「このままFWをやっていてもプロになれないと思ったし、何かを変えたかったんです」と言う。黒田剛監督を始めとする首脳陣の回答は「そこまで言うなら、やってみろ」。春からCBとしてのトレーニングが始まった。

 CBは小学校3年生くらいまでやっていた記憶があると言うものの、戦術的な対応を含めたCBとしての動きは「完全な素人」(正木コーチ)。DF小山内慎一郎主将にCBの心得を聞きに行ったり、OBの日本高校選抜DF橋本恭輔(現新潟医療福祉大)にも、電話でディフェンスラインのアップダウンのタイミングなど動き方について質問攻めにしたと言う。「本気でDFとしてやるつもり」と言うように、一つの手本と観たボアテングの動画を何度も観るなど個人的な努力も続けてきた。

 迎えた東北大会は「DF三国ケネディエブス」が公式戦で起用できるレベルなのかが問われる戦いだった。「前に跳ね返すヘディングのほうが得意」という武器は最終ラインで確かに生きて、準決勝までの3試合は「インターセプトも結構上手くいった」(三国)という手ごたえのあるプレーを見せた。

 ただ、決勝の尚志は小さな選手がドリブル勝負を挑んでくるような展開が多く、苦戦を強いられるシーンも目立った。また正木コーチが「行くところと行かないところの判断」を課題に挙げたように、不用意に飛び込んでピンチを招くシーンもあった。

 それでも、全体としてはDFとしての“可能性”も十分に感じる内容だった。長身に加えてリーチの長さは確かな武器で、ゴール前でも足を伸ばしてシュートブロックに対応できる点は確かな強みだ。

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