筑波大“狙い通り”の先制弾から粘りの勝利!指揮官「たまには褒めたい」
ゲキサカ / 2017年6月21日 22時3分
[6.21 天皇杯2回戦 仙台2-3筑波大 ユアスタ]
筑波大(茨城)が正真正銘のジャイアントキリングを果たした。21日に行われた天皇杯2回戦でJ1のベガルタ仙台を3-2で撃破。MF三笘薫(2年=川崎F U-18)の2発と磐田内定FW中野誠也(4年=磐田U-18)の得点で3回戦進出を決めた。
先制後に逆転されながらも、粘った末につかんだ勝利。筑波大の小井土正亮監督は試合後のテレビインタビューで「本当に仙台さんは力のあるチーム。いつ何が起きるかわからない状況だった。最後まで切らさずに戦った選手を称えたい」と教え子たちを労った。
18日の関東大学リーグ・明治大戦から中2日で迎えた大一番。仙台戦を見据え、「疲労がある試合になったので、上手く見極めながら戦いたい」と語っていたとおり、明治戦から先発を4名変更。4-4-2システムで教育実習から戻ってきていたDF野口航(4年=大津高)が左SB、MF戸嶋祥郎(4年=市立浦和高)が右SHに入り、ボランチではMF高嶺朋樹(2年=札幌U-18)が先発。左SHには明治戦で出番のなかった三笘が入った。
主将のFW北川柊斗(4年=名古屋U18)をはじめとする選手たちが試合前から「相手が緩む最初の時間が勝負」と口にしていたように、前半6分に三笘のゴールで“狙い通り”に先制する。前半31分と後半5分には筑波大卒業生のMF中野嘉大に勝ち越しを許したが、1-2の後半20分にセットプレーから中野誠也がヘディングシュートで同点弾。さらに同28分には途中出場したMF西澤健太(3年=清水ユース)のボール奪取から三笘がこの日2点目を挙げ、勝利を飾った。
警戒していた仙台FWクリスランには、DF小笠原佳祐(3年=東福岡高)とDF鈴木大誠(3年=星稜高)のCBコンビが的確に対応。指揮官が「CBがこの対戦を本当にたのしみにしていた」と言うように、強靭な相手を前に臆することなく戦い、ほとんど自由を与えなかった。守備に追われた右SB会津雄生(3年=柏U-18)も、運動量落とさずやりきったほか、不運なクロスでの失点はあったものの、GK阿部航斗(2年=新潟U-18)はいつも通りに声を張り上げチームを鼓舞し続けた。
また北川主将はハイボールの競り合いで強さを示したほか、MF鈴木徳真(3年=前橋育英高)は立ち上がり幾度も果敢にミドルシュートを狙うなど存在感を発揮。J1チーム相手とはいえ過剰に守りに入ることなく、それぞれがそれぞれの持ち場で前向きに戦いきって手にした勝利だ。
リーグでは5試合連続複数得点で勝利しているが、指揮官が自ら褒めることはほとんどない。それでも三笘の2得点とエース中野のゴールで2回戦突破したこの日、前線を称えた小井土監督は「出来すぎです」と言い、「普段はあんなに点を取らないので、たまには褒めたい」と微笑んでいた。天皇杯3回戦は7月12日に行われ、筑波大はアビスパ福岡と戦う。連続でのジャイキリなるか。
●第97回天皇杯特設ページ
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