10番FW篠原が「裏街道」から決勝アシスト!関東一が3年連続全国総体出場!:東京
ゲキサカ / 2017年6月25日 0時33分
[6.24 全国高校総体東京都予選準決勝 関東一高 1-0 國學院久我山高 駒沢2]
平成29年度全国高校総体「はばたけ世界へ 南東北総体2017」サッカー競技東京都予選準決勝第1試合は、関東一高と國學院久我山高という、個の打開力と組織力が高いチーム同士の一戦となった。
中盤の構成力が持ち味の両チームの対戦とあって、試合は序盤から中盤での激しい攻防が繰り広げられた。関東一は小関陽星と長谷部竣のダブルボランチにボールを集め、彼らの展開からゲームを作ると、國學院久我山もショートパスを織り交ぜたテンポの良い攻撃で応戦。その中で動きにキレがあったのが、関東一FW篠原友哉だ。
「攻撃が好きなので、どんどん仕掛けようと思ったし、ボールを運ぶことで、相手DFが食いついて来て、サイドが空くと思っていた」と、高い位置でボールを受けては、鋭いボディシェイプから突破を仕掛け、國學院久我山DF陣のマークの歪みを生み出した。7分にこの試合のオープニングシュートをドリブルから放つと、20分に圧巻のプレーを見せる。
左サイドを突破したMF篠崎源太のセンタリングは、ニアに飛び込んだFW池田健太に合わず、ファーにいた篠原も通り越して、右サイドに流れて行く。だが、篠原はそのボールに猛ダッシュし、タッチラインギリギリでボールを収める。そして、鋭くターンして中を向いた次の瞬間、奪いに来たDF2人の間に右アウトサイドでボールを通すと、自らはDFの内側をダッシュで駆け抜け、「裏街道」で一気に前に出た。完全に抜け出した篠原は、ゴール前で動き直しをしていた池田へ正確なパスを送り込む。これを池田が冷静に押し込んで、関東一が先制に成功をした。
その後も篠原はドリブルで何度も仕掛け、チーム最多の3本のシュートと、DFを引きつけてからのラストパスでチャンスを作った。後半20分を過ぎると、何としても同点に追いつきたい國學院久我山の猛攻に合うが、35分には國學院久我山FW鵜生川治臣の至近距離からのシュートを、関東一GK北村海チディがスーパーセーブで凌ぐ。さらにラストプレーとなった國學院久我山のロングスローからのCB澤田雄大のヘッドも、GK北村が横っ飛びでがっちりとキャッチ。攻守ががっちりと噛み合った関東一が、1-0で國學院久我山を振り切り、3年連続となるインターハイ出場権を手にした。
「ボールを取りに行った時、相手DFが一人来ているのは分かったのですが、ターンをしたらもう1人来ていたので、咄嗟に身体が動きました。間を上手く取ることが出来て、相手の意表を突くことが出来た」。
試合後、篠原は値千金の決勝弾を生み出した「裏街道」についてこう振り返った。「DFを引き連れてドリブルすることは意識していて、僕がボールを持てばサイドや周りが空く。チームのためになるドリブルをしたい」。昨年のエース冨山大輔(現専修大)から引き継いだ背番号10は、エースの証。得意のドリブルで関東第一の攻撃を牽引した偉大な先輩のように、自らもドリブルでチームを牽引する。
「昨年、インターハイで市立船橋を相手に、全く歯が立たないまま終わってしまったので、今年はもっと自分を出して、チームを勝利に導きたい」。昨年のインターハイでは、初戦で市立船橋に0-1というスコアだったが、終始押し込まれ、良いところが出せぬまま敗れた。今年は10番である自分がチームを勝たせるプレーが出来るように。3年連続出場に浮かれること無く、その視線を全国大会に向けていた。
(取材・文 安藤隆人)●【特設】高校総体2017
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