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全国3位以来となる夏へ!アクシデント乗り越えた真岡が55番目の代表校に!:栃木

ゲキサカ / 2017年6月26日 5時46分

 それでも攻める真岡、耐える栃木の展開は変わらない。真岡は37、39分と立て続けに栃木DFを切り崩し、MF河原慎吾(2年)が決定的なシュート。栃木はこれをGK藤浪大樹(3年)が止めて凌いだが、「正面からやろうという気持ちでいましたけれど、(連戦と緊張で)足が動かなかったですね。前半から攣っていた子もいました」と大貫祐市監督が振り返るチームは1点差の状況を維持することができない。真岡は40分、金澤の右CKをファーサイドのCB鈴木優斗(2年)が折り返し、ゴールエリアに飛び込んだ齊藤が再び頭でゴールへ押し込んだ。

 真岡は2ゴールの齊藤に代えて後半開始から「今大会のラッキーボーイ。得点を取ってくれた」(川上監督)というFW根本晋太郎(3年)を投入。4分には左サイドを突破した鵜養のラストパスを和氣が右足で決めてリードを広げた。そして選手を入れ替えた後も主導権を握って試合を進めた真岡は34分、中央から右サイドへ展開したボールを交代出場MF小林岳流(3年)がクロス。これをファーサイドの根本が右足ダイレクトボレーで合わせて4-0とした。

 栃木は点差を広げられたものの、サイド攻撃やセットプレーからPAまでボールを運んで1点を目指し続ける。すると、後半アディショナルタイム、MF菊池遼司(3年)の左FKを交代出場のFW味村大地(3年)がヘディングシュート。これがクロスバーの下側を叩いてゴールラインを越えた。大学への受験準備のために、今大会限りで3年生全員が引退する栃木の奪った意地の1点。だが、4-1で試合を制した真岡が10回目の全国総体出場を決めた。

 真岡の川上監督は「守備をしっかりすること。守備から速く攻めることをテーマにやっています」。矢板中央や佐野日大などの強力な私学勢に対抗するためには堅守、速攻は重要なポイント。一方でこの日はショートパスを正確に繋ぎ、金澤や鵜養らがテクニカルな崩しを表現していた。昨秋、栃木県内の公立校では初となる人工芝グラウンドが完成。技術力の向上に大きな影響を及ぼしており、指揮官も「加速していければいいと思います」と期待する。この日見せていた多彩な攻撃は、全国までにその質をさらに上げそうだ。

 エース郡司不在で臨む全国総体。戦力的に痛いのは間違いない。だが、この決勝が今大会初先発だった齊藤が2得点を奪うなど、他の選手にとってはチャンスでもある。日々の競争を経て個々、チームのレベルを少しでも引き上げて全国へ。そして、主将の後藤が「歴代の先輩たちを越していかないと意味ない」と語り、司令塔の金澤も「4年前の先輩を越せるような結果を出したい」と誓う目標実現に挑戦する。

(取材・文 吉田太郎)●【特設】高校総体2017

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