トップチームに刺激を受ける鳥取U-18、初のラウンド16進出に前進
ゲキサカ / 2017年7月24日 19時5分
[7.24 日本クラブユース選手権(U-18)GL第2節 鳥取U-18 2-0 横浜FCユース 前橋総合]
新たな歴史まで、あと一歩だ。第41回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)は24日に第2日を行い、前橋総合運動公園で行われた第2試合は、ガイナーレ鳥取U-18(中国2)が2-0で横浜FCユース(関東7)を下した。
鳥取U-18は前日の初戦で鹿島アントラーズユースと1-1で引き分けており、勝ち点を4に伸ばして鹿島ユースと首位で並んだ。26日に行われる第3日のロアッソ熊本ユース戦で勝ち点を獲得すれば、初のラウンド16進出が決まる。
鳥取U-18は、開始早々に先制点を奪った。3分、FW高木虎之介が蹴った右CKを2年生CB中垣龍一朗が合わせて、いきなり得点。対する横浜FCユースは、セットプレーからDF伊藤柾がヘディングで狙う場面が2度続いたが、クロスバーに嫌われた。
窮地をしのいだ鳥取U-18は、サイドからドリブルを仕掛けて来る相手を中央へ入れさせずに防御。そして、32分、右ウイングバックの澤田理玖が放った大きなクロスに、逆サイドのウイングバックを務めた高木がダイビングヘッドを合わせて、追加点を奪った。
「中国予選からゴールを決めていなくて、そろそろ10番の役割を果たさなければいけないと思っていた」と話した高木だが、この日は1ゴール1アシストと活躍した。本来はFWだが、チーム事情により全国大会からワイドで起用されている。「左サイドは、2年のときに経験している。ヘディングのシュートは、多い方。個々の上手さでは負けるけど、当たりは、相手がどこでも負けるつもりはない。トップチームの練習試合で経験したことが、この全国大会で生かせたと思う」と手ごたえを語った。
鳥取U-18は後半も耐える時間が続いた。横浜FCユースは飯澤良介が左から、三木結斗が右からドリブルを仕掛け、カットインやクロスでシュートを連発。後半だけで12本を放った。しかし、三木のヘディングシュートを相手GKの好守で阻まれるなどネットを揺らすことができなかった。
主戦場が県リーグの鳥取U-18が普段とは異なるレベルの全国大会でも平然と戦えている背景には、トップチームの練習試合を複数の選手が何度も経験していることが挙げられる。
3バックの一角として堅守を体現した主将の石津大地は「タフに戦えて良かった。週末にユースの試合をやって、月曜日にトップチームの練習試合に出ることは、よくある。僕にとっては、ラインコントロールの早さ、寄せの早さを実感できる場。全国大会でも驚かずにプレーできているのが、一番大きい影響だと思う。トップの試合に3人とか4人で行って、戻って来て『ユースも、もっと上手くならないとダメだ』と言って意識が高まって行く」と好影響を受けるサイクルが存在することを明かした。
初のラウンド16進出に王手をかけ、石津は「僕たちはグループリーグを突破して歴史を作ろうと思っている。そこに限らず、上に行って、東京(決勝戦)に行きたい」と次戦にかける思いを語った。ただし、トップに昇格したFW畑中槙人を擁した世代が最終戦で涙をのんだこともある。鳥取U-18の高木理己監督は「昨日の試合の疲労感が意外とあった。(リードした)スコアと今日の出来を考えて、こういう形にせざるを得なかった。もっとボールを握らないと、彼らには厳しい。(第3戦の)熊本さんは、ボールを動かすのが上手い。まだ分からない」と勝って兜の緒を締めた。歴史を変えられるか、注目だ。
(取材・文 平野貴也)●第41回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会特集ページ
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