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「ライター森田将義の総体優勝予想」本命・青森山田!プレミア勢軸の戦いに

ゲキサカ / 2017年7月29日 6時1分

森田氏が優勝争いの本命と予想する青森山田高

特集企画「ユース取材ライター陣が予想する『全国高校総体優勝校』」

「数年前までは工夫すれば、プレミア勢に勝てる気がしたけれど、最近はどう足掻いても勝てる気がしない。先に1点獲れても、彼らには2点、3点を奪い返すだけの力がある」。全国大会常連校の監督がそう嘆くの無理はない。事実、2015年度は東福岡高がインターハイと選手権の2冠を達成。昨年度は夏を市立船橋高が、冬を青森山田高が制したように、この2年はプレミアリーグ勢が高校サッカーのタイトルを独占している。

 今夏も3チームを軸に優勝争いが繰り広げられるのは確かだが、中でも本命と言えるのは青森山田だろう。ボールを持ったらまず前を向く姿勢や、積極的に仕掛けるサイド攻撃の切れ味は全国屈指。MF郷家友太(3年)やFW中村駿太(3年)など中央に点取り屋がいることも心強く、プレミアリーグEASTでもコンスタントに得点を奪い、上位争いを展開している。2回戦からの登場となることも体力面でのプラスで、本来の力を発揮できれば昨冬に続く栄冠も射程圏内だが、黒田剛監督が「昨年とは違って、やるべきことをやり切れていない。まだ甘さがある」と指摘するように要所でのミスも少なくなく、盤石とは言えない。

 2回戦で対戦する可能性のある青森山田と東福岡のブロックを突破したチームが決勝で市立船橋と対戦する可能性が高いのではないか。ただし、力は十分ながらも不安要素を抱えるのは、市立船橋と東福岡も同じだ。右SB吉田歩未(3年)と左SB杉山弾斗(3年)の両サイドから、身体能力に長けたFW福元友哉(3年)の決定機を引き出す市立船橋の攻撃は迫力十分だが、「プレミアで勝てず自信をなくしている」(朝岡隆蔵監督)。東福岡も攻守の要であるMF福田湧矢(3年)とDF阿部海大(3年)の2人と、伝統のサイド攻撃が存在感を増しているが、プレミアでは相手の勢いに飲まれる試合も多く、今大会でも楽ではない試合が続くはずだ。

 3強に続く対抗馬として挙げたいのは尚志高と静岡学園高だ。「ゴールを目指して、どんどん飛び出していくのが今年のテーマ」(仲村浩二監督)という尚志は、素早くボールを繋ぎ、中盤や両SBが積極的にゴールを目指すスタイルが目を惹く。「走れる選手が多い」(仲村監督)ことも強みで、プリンスリーグ東北では後半に勝利を引き寄せる試合が多いという。全国でもチャンスの数は保証できるため、後は決定力が躍進の鍵だ。静岡学園は、主力の半数を2年生が占める若いチームだが、司令塔のMF渡井理己(3年)を中心とした“シズガク”らしいドリブルあり、パスありの技巧派スタイルは力十分。「例年と比べても悪くない」と話す川口修監督には昨年のベスト8越えも見えているはずだ。

 ダークホースは2年連続ベスト8入りを果たしている米子北高と、昨年度の選手権で4強入りを果たした東海大仰星高を推したい。ともに昨年から主力がガラっと変わったが、伝統と言える守備の堅さは今年も健在。派手さはないが、他を圧倒する走力も暑さとの戦いでもあるインターハイ向きだ。初戦シードという点も追い風にして、上位に顔を出すのではと予想する。

執筆者紹介:森田将義(もりた・まさよし)
1985年、京都府生まれ。路頭に迷っていたころに放送作家事務所の社長に拾われ、10代の頃から在阪テレビ局で構成作家、リサーチとして活動を始める。その後、2年間のサラリーマン生活を経て、2012年から本格的にサッカーライターへと転向。主にジュニアから大学までの育成年代を取材する。ゲキサカの他、エル・ゴラッソ、サッカーダイジェストなどに寄稿している。●【特設】高校総体2017

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