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[SEVENDAYS FOOTBALLDAY]:“15番”のチャレンジャー(関東一高・重田快)

ゲキサカ / 2017年7月30日 7時56分

 全国総体1回戦。山形中央高戦。スタメンとしてピッチに歩みを進める重田の背中には“15番”が見えた。ただ、本人の中で3週間前まで頭の中にあった番号へのこだわりは、もうほとんどなくなっていたという。「メンバー入りさせてもらったので、そういう気持ちを捨てて、思いっきりやるしかないと思っていた」“15番”は、前半から得意のドリブルで仕掛ける姿勢を披露。小野貴裕監督も「今日の重田はほぼほぼ良かったですよね」と一定の評価を口にする。それでもチームは山形中央のシンプルなアタックに苦しめられ、特に後半は再三のピンチを2年生守護神の北村海チディがその度にファインセーブで凌ぐ展開に。なかなか決定的なチャンスが訪れない中で、冒頭のシーンがやってきた。

 スコアレスで迎えた後半32分。右サイドで小関陽星のパスを受けた山脇樺織は、アーリー気味にクロスを上げる。「時計を見て、30分を超えていたので、『何とかこの5分で入らないかな』と思っていて、自分もサイドハーフだったんですけど、クロスに飛び込もうと内側に入ってきた」重田の足元にボールが転がり込む。「1回トラップして打とうと思ったんですけど、ボールが高くて振れないなと思ったので」左足に持ち変える。周囲の動きもクリアに見えていた。降り抜いた左足に確かな感触が残る。イメージ通りのゴール。その1秒後。もう“15番”は「この雨の中でずっと声を出してくれていたので、決めたら行ってあげようと思っていた」応援団の方向へ全力で走り出していた。

 MVP級の活躍を見せた北村も「やっと決めてくれたかと思いました」と笑った重田のゴールはそのまま決勝点となり、劇的な勝利を収めた関東一は2回戦へと駒を進めることになった。試合後。“15番”という背番号について尋ねられた殊勲のスコアラーはこう話している。「今は逆に『自分は“チャレンジャー”かな』って想いがあって、去年も試合には出ていたんですけど、主力ではなかったですし、今年も自分のチームでもないですし、予選も出ていなかったので、やっぱり1人のチャレンジャーとして、全国は戦うだけだという気持ちです」。選手たちの背番号を決めている小野監督も、2年生から期待していた重田には、さらに一皮剥けて欲しいと切に願っている。そのためには、自らで切り拓かなくてはいけないものも当然あることは言うまでもない。この日のゴールは果たしてそのキッカケになるだろうか。

 2回戦の相手は神村学園高に決まった。「神村も代表に入っている選手や注目されている選手がいますし、そういう所を倒してこそ全国で名前が残ると思うので、勝つことしか考えていないです」と言い切った重田。一皮剥け掛けている“15番”のプレーが、関東一を2年ぶりの全国ベスト16へ、そしてさらにその先へと導く可能性を信じたくなるようなこの日の70分間だった。

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SEVENDAYS FOOTBALLDAY by 土屋雅史
●【特設】高校総体2017

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