激戦ブロックの中で沈んだ青森山田。10番MF郷家は前橋育英へのリベンジと選手権連覇誓う
ゲキサカ / 2017年8月1日 8時27分
[7.31 総体3回戦 前橋育英高 3-1 青森山田高 みやぎ生協めぐみ野サッカー場Bグラウンド]
昨年度の2冠王者・青森山田高の冬夏連覇の夢は3回戦で潰えた。2年前のチャンピオン、東福岡高との初戦は3-1で会心の白星を収めた青森山田だったが、黒田剛監督が「決勝戦のようなゲームが2試合続く。決勝戦を戦ってまたという……」と評した選手権準V・前橋育英高との連戦を戦うには、前の試合の消耗度が激しすぎた。
前半5分にMF田中凌汰(3年)のゴールで幸先良く先制し、前半はほぼ試合を支配していたものの、突き放すチャンスで決めきることができない。選手権決勝のリベンジに燃える前橋育英の前にオフ・ザ・ボールでの守備、セットプレーなど徹底するべき部分、集中力も欠いてしまい、自分たちから崩れてしまった。
特に後半は7か月前の0-5大敗のリベンジに燃える前橋育英の勢いに飲まれてしまった。U-18日本代表MF郷家友太(3年)は「監督からは前橋育英の気持ちになれと言われて、リベンジという気持ちを語ってもらっていたんですけど、育英の気持ちになれずに後半は本当に相手の勢いに飲まれてしまった」と悔しがる。
特に地元・宮城県出身の郷家にとっては故郷で日本一を掴みたいという思いが強かった。1点を追う後半、196cmFW三國ケネディエブス(2年)が投入される中で郷家は自分が何とかしようとしていたが、逆に前がかりになりすぎたことで中盤にスペースが生じ、相手に活用されてしまう。そして1-3とされると、最後までゴールを奪い返すことができなかった。
青森山田のチームとしての力は間違いなく、高体連トップクラス。それでも、ライバルたちから標的とされる中で臨んだインターハイで強敵続く連戦を勝ち抜くことはできなかった。昨年度のプレミアリーグ、全国高校選手権優勝の青森山田は今後のリーグ戦、そして選手権でもターゲットにされることは間違いない。
それに対し、黒田監督は「リーグ戦だとヒガシ(東福岡)戦のように1試合にかけて、もう一回一週間でコンディションとか、メンタリティーを作り直して臨むのは結構上手なんだけど、こういう連戦連戦となっていくのは難しいと思うし、サブも含めて人間的なパワーが必要になってくる。去年のチームに比べると、そういったところが足りないかなと。トーナメントを毎日毎日勝ち上がって行くパワーはまだ足りないかな」と語った。サブ組の選手を含めてより戦える選手も必要。敗れたことをバネにこれから新たな勝利を目指してチームをレベルアップさせていく。
郷家は「(前橋育英に)選手権でまた当たる機会があったら次は絶対に勝って、前橋育英には負けられないという気持ちが強いんで、去年みたいに決勝まで行って優勝したいという気持ちが強くなりました」。前橋育英との試合の悔しさを今度は自分たちが忘れず、成長して、選手権で前橋育英に勝って選手権連覇を果たす。
(取材・文 吉田太郎)●【特設】高校総体2017
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