「福島復旧・復興祈念ユース大会」相手のプレスに心が屈したインハイを反省。神村学園はもう、“逃げない”
ゲキサカ / 2017年8月8日 17時9分
[8.7 福島復旧・復興祈念ユース大会 大阪桐蔭高 1-0 神村学園高 尚志高G]
悔やんでも悔やみきれない敗戦となった。神村学園高の有村圭一郎監督は2回戦敗退に終わったインターハイについて、「田舎者のところが大分出てしまった」とコメント。前半を1-0で折り返しながら、後半に4失点して逆転負けした関東一高戦は自分たちから崩れて敗れてしまったと感じている。
「ちょっとプレッシャーに来られると逃げちゃう。でも、そんなことをしていたらウチに勝ち目は無いんですよ。結局、それからウチのリズムが崩れて。そういう面ではいい経験だった。自分らがいかにひ弱で精神的にタフじゃなかったか」
U-18日本代表のMF高橋大悟主将(3年)ら舞台慣れしている選手は落ち着いてプレーしていたという。だが、チームにとっては11年以来6年ぶりとなるインターハイ。選手権も13年度の出場が最後で、現在の選手は高校で全国を経験した選手がいなかった。
その経験不足がモロに出てしまう形に。高橋も「前半と後半違うチームになってしまった。プレッシャーに前半の最初慣れていかないといけないところで、後半もそのプレッシャーにビビってしまっていたところがあった」と悔しがる。
前半はプレッシャーの中でも“神村らしく”判断良くボールを繋いで前進するなど良い形で試合を進めていたが、相手のプレッシングを受け続ける中で、そのパワーに耐えられなくなってしまい、そのプレッシャーを打開するのではなく、逃げるようにロングボールに頼ってしまった。
神村学園はフィジカルの強さやハードワークで勝負しているチームではない。有村監督は「そこと違うところで勝負しているんだから、そこで逃げちゃダメ。その時点で負けだから」。だからこそ、この夏はどんな状況でもスタイルを徹底できるように、鍛え直している。
「2017 第6回 福島復旧・復興祈念ユースサッカー大会」の大阪桐蔭高戦では相手の距離感良い攻守の前にチャンスを作った回数はわずかで0-1敗戦。それでも相手の連続、連動したプレッシングを受けながらも、MF田畑拓武(3年)やDF愛川陸斗(3年)を中心に焦れずにボールを前進させようとし、逃げずにグラウンダーで勝負し続けた。全国で自分たちのサッカーを貫くためにはまだまだやらなければならないことがある。
有村監督は「選手権に何とか出て、この夏の悔しさを何とか返したい。負けるにしても、“らしく負けたい”。(インターハイは)ひ弱に負けてしまったので」。貫くことのできなかった夏、悔しい過ぎる敗戦から必ず変わる。神村学園はもう、“逃げない”。
(取材・文 吉田太郎)
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