[プレミアリーグWEST]粘りの守備から会心の展開。米子北が首位・神戸U-18を撃墜
ゲキサカ / 2017年8月28日 20時9分
[8.27 高円宮杯プレミアリーグWEST第10節 米子北高 2-1 神戸U-18 チュウブYAJINスタジアム]
高校年代最高峰リーグ『高円宮杯U-18サッカーリーグ2017 プレミアリーグWEST』は27日、第10節2日目を行った。6位・米子北高(鳥取)は首位を走るヴィッセル神戸U-18(兵庫)を鳥取県米子市のチュウブYAJINスタジアムにて迎え撃ち、粘り強い守備から2-1の快勝を収め、勝ち点を11に伸ばした。
ラクな試合ではなかったが、「想定内」の展開だった。試合後、米子北の選手・監督がそう言って口をそろえた。序盤から圧倒的にボールを支配していたのは神戸U-18。2トップがボールを激しく追う米子北のようなチームをイメージして、ビルドアップ時にはボランチがポジションを下げて3バックを形成するやり方で、実際にそのプレスを空転させているかにも見えた。
だが、前線のプレスを外したあとの組み立てで、神戸の攻めは迫力とアイディアを欠いた。野田知監督が「(支配はしても)決定的なドリブルやパスを出せてはいなかった」と言い、FW佐々木大樹が「簡単なミスが多すぎた」と嘆いたように、相手のペナルティーエリアへ入っていくシーンはほとんど作れない。
米子北は「後ろで持たれている分には問題ない」(MF佐野海舟)と割り切りながら、中央を固めてサイドへと追い出しながらそこで攻撃をせき止めるイメージで守り続けた。前半、神戸の決定機は39分にパス交換から中央を破ったFW原尊のシュートがサイドネットを外からかすめたのみ。前半のシュート数「1対2」という数字が試合内容を象徴していた。中村真吾監督が「取り組んできた守備の連動のところをしっかりやってくれた」と目を細めたように、これは米子北のペースだった。
後半に入っても試合の流れに大きな変化は生まれない。野田監督が「動き出しも少なくて、ボールを持ってから考えるようなシーンが多かった」と首をひねったとおり、神戸の攻撃のテンポはなかなか上がらない。逆に米子北に守備のリズムが生まれたような流れにもなったまま、試合は終盤戦に突入。酷暑の中で先発選手に疲労も観られる中、双方が交代カードを激しく切り合い、勝負に出た。
後半41分、交代出場のMF高橋諒のパスを右サイドで受けたMF馬場琢未がドリブルで仕掛けて折り返したシーンで、米子北はゴール前へ一気に人数をかける。ニアで両チームの選手が競り合ってつぶれたあとだった。原則通りにゴール前へ突っ込んでいた逆サイドハーフのMF坂田二千翔がこれを押し込み、待望の先制点を奪い取る。「ニアでFWがつぶれてくれたおかげ」と微笑んだアタッカーが、試合をついに動かした。
米子北はさらに44分にも交代出場の1年生FW岡田大和が競り合いを制したプレーからそのままドリブルで突っ込んでの強烈な左足シュート。「あそこは彼の角度なんですよ」と城市徳之総監督も納得の強烈な弾道でゴールネットを揺らし、試合の行方を決定付けた。
その後はアディショナルタイムのラストプレーで警戒していたMF池田修志に追撃の一点を見事に奪われてしまって画竜点睛を欠いたものの、2-1で試合は終了。「最後の失点は要らなかったけれど、多彩な攻撃のある相手によく戦ってくれた」と中村監督。プレミアリーグ後半再開節で貴重な勝ち点3を得た米子北は、一つの目標であるプレミア残留に向けて、大きな一歩を踏み出した。
(取材・文 川端暁彦)
●2017プレミアリーグWEST
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