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東口順昭“日本一のGKへ”vol.5 東口が選ぶ今季のJ神セーブ&忘れられないあの場面「エッ、浮いたで!?」

ゲキサカ / 2017年9月15日 8時55分

FC東京戦のスーパーセーブ

第3節 FC東京戦
 プロに入って初めてPKを止めたのがこの試合だった。新潟でもガンバでもずっとPKを止められていなかったので、そういう意味でも印象に残っている。大久保選手をよく見ることで、コースを読んで止めることができた。ただ、弾くところが悪くてシュートしやすい位置にこぼれて、ボールが向かった大久保選手の足元に突っ込むしかなかった。激しい接触プレーになったけど、辛うじてボールが腰に当たって外れた。あの瞬間、ちょっとでも躊躇していたら入れられてたんかなと思う。
 直後、頬は痛かったけど「打撲したかな」くらいの感覚だった。過去に眼窩底(がんかてい)っていう目の下の骨を折ったことがあったけどそれとは違ったし、鼻も折れていなかった。ピッチに立っている間は骨折しているという認識はなく、残り時間もゴールマウスを守った。ただ、どこからなのか血が出てきて(笑)、レントゲンを撮ったら折れていた(左頬骨骨折)。結果的に全治約1か月のケガになって、直後の代表招集も見送られたのは残念だったけど、しょうがない。あの局面でゴールを守るうえでは最善の判断だった。今回に限らず、試合中に負傷しても重傷だと気づかないことが多いかもしれない。代償はあったものの、初のPKストップで手応えをつかんだので、今後はどんどん止めていきたい。


第10節 清水戦
 1本目、鄭大世選手のシュートは至近距離だったけど、しっかりと止まって対応できた。でも、左足に当てたボールがちょうどチアゴ・アウベス選手の前にこぼれて、連続でシュートを打たれてしまった。2本目のシュートスピードも速かったけど、反射的に左手を伸ばして当てることができた。立て続けにシュートを打ち込まれても、慌てずに相手を見ることができればこうして対応できる。逆に、自分の中で少しでも慌てて対応が遅れると、“間”ができてしまっていいセーブができない。一つひとつの局面での対応は、状況を見た“準備”が重要になってくる。その状況で次に何が起こりうるか、瞬時に何パターンか考える。それで、実際に起きたことが想定内であれば冷静に対応することができる。
 この場面のようにGKが前に出ていってDFがゴールを守るような形は極力減らしたい。前提としてDFにはシュートを打つ人にプレッシャーをかけてほしい。それができへんかったときはこういう形になるけど、もちろんゴールライン付近でクリアしてくれるのは助かるし、誰かがコースを消してくれないと広いゴールを守りきれない。試合中の局面で守備陣が瞬時に同じ意図を持って追い込んだり、コースを切ったりできるのは理想的。ただ、普段この想定で練習をすることはない。試合でいきなり直面するのでいつも難しく感じる。

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