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「東京五輪への推薦状」第47回:名門街クラブで殻破りつつある「世界規格」の超大型SB、加藤慎太郎

ゲキサカ / 2017年9月30日 22時7分

 体格を買われてCBとして使われることの多かった加藤だが、2年生のときにBチームで本格的にSBへコンバートされていた。「スピードには自信があるし、結構走れるほうだと思う」という個性を買っての転向だが、これは意外なほどにフィットした。まだまだサイドの守備で粘りを欠いてしまう一面はあるものの、春先に比べるとその点でも着実な進歩を見せている。日進月歩の中で、代表スタッフからもあらためて注目される選手になってきた。首位・川崎フロンターレU-18を沈めてみせた9月10日のプリンスリーグ関東第12節では、加藤がニアサイドへ動き出しながらのジャンプヘッドを鮮やかに決めて勝利に大きく貢献。「ずっと地道にやって来た成果が出せた」と喜んだように、「弱点」と言われた要素を徐々に克服しつつある。

 実は三菱養和というクラブ内での加藤への評価は元から低くなかった。三菱養和巣鴨ジュニアユースの生方修司監督は「上のレベルに行けるタレントだと思っていたし、プロを狙える選手だと思っていた」と言う。大型選手は時間がかかることも多いので、加藤自身が殻を破って自分の力で伸びてくるのを待っていたという。高校3年生までかかったのはちょっと誤算だったかもしれないが、まだまだ遅くはあるまい。

 来年からは熱烈なラブコールを送っていた関東の強豪大学で技を磨くことになるが、本人の中でも目指すステージは明確だ。「大学で筋トレもしっかりやって体を作り直しながら、絶対にプロへ行く選手になりたい。年代別代表も自分の知っている選手がたくさん入っていて、もちろん意識しないことはない。最終的にそういうところまで行ければ」と力を込めた。

 まだまだ未完の大器には違いない。「弱点」が消えたわけでもないし、世界で戦うには明確な武器が必要であるのと同時に、明確な「弱点」もあってはいけないのだ。大学の4年間でどこまでその弱みを消して強みを押し出せる選手になれるかどうかということになるわけだが、今年1年の成長速度を思えば、決して可能性のない話ではないだろう。

執筆者紹介:川端暁彦
 サッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』元編集長。2004年の『エル・ゴラッソ』創刊以前から育成年代を中心とした取材活動を行ってきた。現在はフリーランスの編集者兼ライターとして活動し、各種媒体に寄稿。著書『Jの新人』(東邦出版)。

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