「オレがここにいるという存在感を出すこと」「壁にぶち当たった時に何をするか」鹿島CB昌子、大岩監督が高校生へアドバイス
ゲキサカ / 2017年10月6日 12時10分
高校生相手に抜群の強さを発揮していた昌子でも、鹿島へ練習参加した際に当時鹿島に在籍していたFW興梠慎三(現浦和)に「度肝を抜かれた」と言い、「いずれあの人を止めると思っていたのを覚えています」と振り返る。高校時代に自信を持っていたというヘディングは、プロ入りしてみると全く通用しなかった。当時は高校とプロの競り方の違いなどを痛感したが、それでも、まず「高校では絶対に負けないところを身に着けた方がいい」と昌子。それを強い相手と対戦し、競り負けたりするたびに工夫しながら勝つ術を磨くことを期待していた。
プロ1年目、昌子は自分の武器が通用しなくても、「ダメだ」と思うのではなく、角度を変えて、必死にプロで生き残るための術を考えてきた。「(当時鹿島のCBには)岩政(大樹)さんや伊野波(雅彦)さんがいて、(1年目に)伊野波さんに似ていると言われたことがある。(自分も)どっちかというと伊野波さんだなと思ったので、毎日ずっと一緒にいて、学べるもの全てを学んでやろうという感じでした」。壁を乗り越えるための努力をした昌子は伊野波や岩政、さらにDF中田浩二らのプレーから吸収し、プロで戦う力を身に着けていった。
昌子をルーキー時代から指導している大岩剛監督も「昌子や植田(直通)も超高校級と言われて入ってきて、でも壁にぶち当たる訳ですよ。それを経験することが大事です。今はできることを精一杯やる、すると、課題が見つかってくると思うので、それを自分で考えて、修正していくことがレベルアップに繋がる」と語る。
日本を代表するCBも経験してきた壁。それに阻まれた時に諦めるのではなく、何をするか。普段から自分の武器を工夫しながら磨き上げて、それが通用しなかった時に考えて、また壁を乗り越えて行くこと。それはプロで活躍する選手たちが経験してきた道だ。「例えば高校の全国大会で自分の課題を見つけて、駆け引きを身に着けていく。プロでできなかったら、その課題をまた工夫していく。その連続だと思うんですよ」(大岩監督)。『NIKE ACADEMY TIEMPO MASTERCLASS』を受講した2人だけでなく、育成年代の選手へ向けられたアドバイス。声のアピール、そして自分を見つめて、常に考え、工夫して行くことが、今後のサッカー人生を変えるかもしれない。
(取材・文 吉田太郎)
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