高徳が「直感」のオーバーラップ、92分に意地のアシスト
ゲキサカ / 2017年10月11日 5時16分
[10.10 キリンチャレンジ杯 日本3-3ハイチ 日産ス]
意地のオーバーラップ、意地のアシストだった。2-3で迎えた後半アディショナルタイム2分、FW原口元気のスルーパスから左サイドを駆け上がったDF車屋紳太郎がグラウンダーのクロス。ゴール前に走り込んだMF香川真司が競ったこぼれ球がファーサイドに抜けてきたところに詰めていたのがDF酒井高徳(ハンブルガーSV)だった。
「2-4になったら終わりだと思っていたし、ずっとカバーリングを意識して相手のボランチの横に残るようにしていた。でも、あのときはもうロスタイムに入っていたし、上がるしかないと思った。ああいうときは(ファーサイドに)流れてくることが多い。割り切って行ったほうがいいと思った」
こぼれ球を左足ダイレクトで振り抜いた酒井高のシュートをゴール前に倒れ込んでいた香川が右足を伸ばして角度を変え、ゴールネットを揺らした。両サイドバックの攻撃参加から生まれた土壇場の同点弾。「直感じゃないけど」。そう振り返った右サイドバックは「(香川)真司くんが決めてくれて良かった」と笑みをこぼした。
3月28日のタイ戦以来の先発。このときのポジションはボランチだったため、サイドバックでの先発は昨年11月11日のオマーン戦以来、約11か月ぶりだった。両サイドバックをこなすユーティリティー性も評価されている酒井高だが、DF酒井宏樹とDF長友佑都から定位置を奪うには至っていない。それだけにこの一戦に懸ける思いも強かった。
大きくメンバーが変更になったこともあり、試合全体を通してはチグハグさが目立った。「このメンバーになって2、3日しか練習していないけど、そこは言い訳にしたくない。個人個人のところで集中しておけば防げた失点だったし、全体でそれをカバーできなかった」。この日の先発メンバーでは長友に次ぐキャップ数を誇る酒井高が見せた意地。「百歩譲って(アシストという)結果を得られた」ことはせめてもの慰めだった。
(取材・文 西山紘平)
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