「何点取られても攻撃陣が取るつもり」埼玉栄が自慢のサイドアタックで朝霞西に攻め勝つ:埼玉
ゲキサカ / 2017年10月16日 15時30分
[10.15 選手権埼玉県予選決勝T2回戦 朝霞西高 1-3 埼玉栄高 浦和南高G]
15日、第96回全国高校サッカー選手権埼玉県予選決勝トーナメント2回戦が行われ、埼玉栄高が朝霞西高に3-1で勝利。越谷西高と戦う3回戦進出を決めた。
この日2得点のFW新井亮士郎(3年)が「何点取られても攻撃陣が取るつもりでいる」と力を込め、右サイドで再三チャンスを演出したMF春原尊(2年)は「何点取られても自分たちが多く取れば試合には負けない」と言い切る。埼玉栄は自慢のサイド攻撃で3点を叩き出して初戦を突破した。
埼玉栄は稲垣忠司監督が「サイドからのクロスボールをずっとやってきた。そこで決めてくれて良かった」という立ち上がり。3分、右SB松山湧紀(3年)のクロスから左MF大須賀宣人(3年)が決めて先制点を奪う。さらに19分にはMF福島健太(3年)のスルーパスで抜け出した新井がGKとの1対1から決めて2-0と突き放した。
ハーフタイムにベンチからの鼓舞を受けた朝霞西も後半は気迫が伝わってくるようなプレー。2分にMF入内嶋哲也(2年)の右CKを右SB佐々木聖斗(3年)が右足で合わせる。このシュートはゴールライン上で埼玉栄DFにクリアされたが、詰めていたMF大垣拓海(2年)が押し込んで1点差とした。
埼玉栄は春原と松山のコンビネーションや183cmの大型左SB西見斗輝(2年)の高精度クロスで追加点を狙う。そして10分には新井が連続で決定的なシュートを打ち込んだが、朝霞西はGK斉藤悠真(2年)がファインセーブを連発。加えて、CB平石晴やCB松本翔伍(ともに3年)がクロス、CKをゴール前で跳ね返して強豪に食らいついた。
そして数こそ少なかったものの、カウンターからチャンスを作り出して会場を沸かせる。だが、埼玉栄は25分、左サイドをコンビネーションで崩すと、最後は西見の折り返しを新井が左足で決めて3-1とした。
埼玉栄は10番MF石橋彪(3年)が抜け目ない動きでチャンスの起点に。守備面でもCB田中琉斗(3年)がスライディングで相手の決定機を封じ、MF花岡京(3年)がカウンターを阻止するなど朝霞西に追撃を許さない。そのまま逃げ切った埼玉栄が3-1で勝利。ベスト16へ駒を進めた。
埼玉栄は今年、関東大会予選、インターハイ予選で準々決勝進出。インターハイでは2-3で敗れたものの、優勝校の昌平高を苦しめている。手応えを得た一方で実力差も感じた敗戦。そこから各選手がボールにかかわる量を増やし、最大の武器であるサイドからの攻撃の質にもこだわってきた。
この日はサイドから仕掛けるシーンを量産していたが、得点数を増やすことができなかった。それだけに稲垣監督は「中の入り方、タイミングを確認したい」と口にする。守備面の成長もあるが、どこまでサイドからチャンスを作り出し、ゴールを奪い取れるかがチームの生命線。武器をより磨き、相手に攻め勝って、「まずは越谷西にしっかり勝って昌平とバチバチやりあって勝って全国行きたい」(新井)という目標を達成する。
(取材・文 吉田太郎)●【特設】高校選手権2017
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