[MOM2255]長崎総科大附FW安藤瑞季(3年)_代表出発前のエースがきっちり「自分の仕事」。2点マークで大勝に貢献
ゲキサカ / 2017年10月24日 0時24分
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.22 選手権長崎県予選準決勝 長崎総合科学大附高 8-1 島原商高 大村市古賀島スポーツ広場]
高校ナンバーワンストライカー、長崎総合科学大附高のFW安藤瑞季(3年)が「自分の仕事」と話す得点をきっちり奪い、大勝に貢献した。
この日は「引き気味で来られて、自分たちの持っている物を出せなかった」と振り返ったように、立ち上がりこそブロックを固めた島原商高の守りに攻撃陣が苦戦。安藤自身も複数の選手にタイトな守備を繰り返され、持ち味である力強い突破をさせてもらえなかった。
それでも、前半11分にはFW中村聖鷹(3年)が先制点を決めると、21分にはFW荒木駿太(3年)が2点目をマーク。「アイツらに決められたら、俺も獲らなきゃという気持ちになる。気持ちの面では二人が先に獲ったことは大きかった」と口にしたように、3トップを組むチームメイトが次々に点を奪ったことで、得点へのモチベーションを強めていく。
意気込み通り、前半26分に味方とのコンビネーションで自身1点目を奪うと、31分には荒木が倒されて得たFKのキッカーに自ら名乗りを挙げた。「キッカーを譲ってくれた皆のためにも、絶対に決めてやろうと思っていた」と狙いすましたキックはクロスバーに当たりながらもゴールネットを揺らし、勝負の行方を決定づけた。後半はゴールこそ奪えなかったが、後半33分にピッチを退くまで、力強い突破を繰り返し、大勝に貢献した。
きっちり得点という与えられた仕事をこなしただけでなく、成長が感じ取れたことはこの試合の収穫だ。これまでは点を獲りたい気持ちが強く、相手をなぎ倒すような強引な突破を繰り返してきたが、小嶺忠敏監督が「周りを使えるようになってきた」と評するように、今年に入ってからプレーに変化が生まれてきた。
安藤自身も「得点を獲りたい気持ちはあるけど、俺が相手を引き付けてから簡単にボールをはたいて、味方にアシストするプレーも増えてきた」と変化を実感。その理由を「俺だけが点を獲っても勝てるけど、周りに決めさせることができればチームに勢いが出るし、その選手のテンションも上がる。代表に入っているからといって、周りに遠慮されるのは嫌。周りにビシッと言って欲しいから、どん欲にコミュニケーションをとりつつ、周りの気持ちをどう高めるかを考えてきた」と明かす。
一方で、成長を続けるが故の難しさもある。「海外ではあれくらいでは倒れない。軽く当たっただけも笛を吹かれて、難しかった」と振り返るように、代表などで掴んだ海外基準のフィジカルを活かして、相手に当たるとファウルをとられる場面がこの日は度々見られた。それでも「基準を世界にしないと、いざ代表に行った時に苦しんでしまう。ファウルになるからと言って、止めようとは思っていない」と意に介さず。今後もより高みを目指しながら、安藤らしく高校サッカーと向き合っていく。
AFC U-19選手権2018予選に挑むU-18日本代表の一員に選ばれたため、25日からは一旦チームを離れる。決勝戦は極寒が予想されるモンゴルで3試合を終え、帰国した直後とあり、小嶺監督は安藤をいないものとしてチーム作りを行うと話すが、「ハードですけど、準備はちゃんとしているので、大丈夫だと思います」と話すように、本人は気合十分。全国行きがかかった大一番でも、大暴れしてくれるはずだ。
(取材・文 森田将義)●【特設】高校選手権2017
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