戦列復帰の三浦大和が窮地を救う決勝点!10人で延長戦を戦った羽黒が日大山形下し6年ぶりに全国へ
ゲキサカ / 2017年10月30日 21時54分
[10.28 選手権山形県予選決勝 羽黒高 2-1(延長)日大山形高 NDスタ]
第96回全国高校サッカー選手権山形県予選決勝が28日に行われ、羽黒高が日大山形高に延長戦の末2-1で勝利し、6年ぶり6回目の全国出場を決めた。
立ち上がりはショートパスをつなぐ攻撃的なスタイルの羽黒がペースを握った。前半9分、MF鈴木怜(2年)のロングスローがゴール正面へと転がり、こぼれ球を拾ったMF嵯峨野凱(2年)が落ち着いてシュートを決めて先制した。
「立ち上がりは良かったのですが、その後は日大さんのパワーに押されて、ボールを奪ってからのパスの付けどころがありませんでした」と羽黒・本街直樹監督が振り返った通り、その後はフィジカルで優る日大山形が優勢となったが、羽黒はカバーリングに優れた168cmのDF星野竜弥(2年)、身体能力が高く170cmながら競り合いの強さやスピードが武器のDF池田夏稀(1年)の両CBがギリギリのところで踏ん張り、前半は1-0で羽黒リードで終えた。
後半も日大山形ペースは変わらず、10分にスローインから中央に転がったボールをFW菅原侑哉主将(3年)がキープし、最後はFW上野原大夢(3年)が反転してシュートを決めて同点に追いついた。その後、互いに決定機を作るもののゴールを奪えないまま迎えたアディショナルタイム2分、羽黒は相手選手へのファウルで2回目の警告を受けた右SBのDF関根啓介(2年)が退場。1-1のまま後半を終え延長戦に突入したが、羽黒は10人で延長戦を戦うことを余儀なくされた。
ここで本街監督は「足にきている選手(嵯峨野)を代えて、ヘディングの競り合いに強いDF浅川和真(2年)を延長の頭から入れ、その後対人勝負に強いFW土田歩武(2年)を入れて、守り切れるチームでは無いので点を取りに行こうと思いました」と敢えて10人で攻めに出た。
延長前半はゴールを奪えなかったが、延長後半4分またも鈴木怜からのロングスローがゴール前へ。「相手のGKが弾いたボールが自分の頭に当たって入ってラッキーでした」と振り返ったのはMF三浦大和(3年)。ラッキーな形ではあったがヘディングシュートが決まって、欲しかった追加点を獲得。攻撃的な姿勢を崩さなかったことが功を奏し、2-1で羽黒が勝利した。
三浦は2年時はCBとしてプレー。身体能力が高く、50m走のタイムは5.9秒。そのスピードを生かしてこの春からは1トップで活躍していたが、7月に左足第五中足骨の疲労骨折。選手権に向けて必死のリハビリを行い、2回戦・酒田光陵高戦でようやく復帰。決勝は右サイドハーフを務めた。
「準々決勝くらいまでは痛みがありましたが、準決勝の山形中央高戦辺りから良くなってきました」と、三浦は大会を通じて徐々に状態を上げてきた。「大会初ゴールでようやくチームに貢献できました。親や地元の友達(出身チームFC古河)にも支えられました」。茨城県結城市に住む両親や、全国各地で活躍するFC古河出身選手などの励ましも受けて、この大会に向け調整した成果が決勝の舞台で花開いた。
本街監督は全国大会に向けて「1~2年生主体のチームですが、下の学年が充実している年は良い結果が出せます。守備の所をもう少しレベルアップして、まず一つ勝ちたいです。どれだけ自分たちのサッカーが通用するかやってみたいです」とまずは全国での1勝を狙う。どんな状況でも攻撃的な姿勢を失わないサッカーで、全国の舞台でも躍進を見せたい。
(取材・文 小林健志)●【特設】高校選手権2017
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