「東京五輪への推薦状」第49回:“うまい”選手から“鹿島らしい”選手へ。前田泰良は「あの場所」へたどり着くか
ゲキサカ / 2017年11月1日 14時16分
「力はあるし、あれだけのプレーをできる選手なんです。でも、10人になってから見せてくれたプレーを11人のときからどうしてできないのか。普段から何故やれないのか。期待はしています。でも、まだまだですよ」(熊谷監督)
文字にしてしまうとシビアなだけの表現に思えるかもしれないが、指揮官の語り口は優しかった。開花を期待してきた選手が、その糸口をついに掴み出したように見えたからだろう。個人で仕掛ける能力もあれば、正確なキックも持っている。体の強さもある。ただ、鹿島の選手に求められるものは、そうした表面的な能力値“だけ”では決してない。「プレーで人に思いを伝えられる選手になれ」というのは指揮官が繰り返し強調してきたことだが、この日の前田はその萌芽が見え隠れした。
「変わるなら、今しかないんだと思っています」(前田)
インドで行われたU-17W杯はしっかり観ていたという。かつてスウェーデンで共に戦った選手たちの奮闘ぶりを観ながら「『あの場所でやりたい』と強く思いました」と日の丸への思いを新たにした。
少し出遅れてしまったのは否めないのかもしれない。ただ、遅いということもあるまい。“うまい”選手から“鹿島らしい”選手へ。この小さくも確実な変化が大きな進化への先触れであるなら、前田泰良が「あの場所」へたどり着く可能性は、十分に残されている。
執筆者紹介:川端暁彦
サッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』元編集長。2004年の『エル・ゴラッソ』創刊以前から育成年代を中心とした取材活動を行ってきた。現在はフリーランスの編集者兼ライターとして活動し、各種媒体に寄稿。著書『Jの新人』(東邦出版)。
-
- 1
- 2
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
「正直もう入るわけない」五輪直前に“鹿島構想外” 23歳が陥った運命…移籍決断の舞台裏【コラム】
FOOTBALL ZONE / 2024年8月2日 19時50分
-
鹿島ポポヴィッチ監督が海外紙でJリーグのあれこれ語る「大分時代…」「日本人選手が進化」「優勝争いの予測など不可能」
超ワールドサッカー / 2024年7月26日 17時20分
-
大岩ジャパンが「東京の亡霊を祓う」 メダル獲得に「不可欠な存在」指名の欧州組は?
FOOTBALL ZONE / 2024年7月20日 6時30分
-
ボリビア代表がザーゴ監督解任…コパ・アメリカではGS3戦全敗
超ワールドサッカー / 2024年7月19日 18時58分
-
G大阪の多彩な攻撃はJ1トップ4でもピカイチ 夏場の消耗戦…上位争いを制する鍵は?【コラム】
FOOTBALL ZONE / 2024年7月10日 17時20分
ランキング
-
1セーリング混合470級の岡田奎樹、吉岡美帆組が銀メダル 日本勢20年ぶり表彰台!…パリ五輪
スポーツ報知 / 2024年8月8日 19時11分
-
2「銅」獲得の須崎優衣が何度も観客席に頭を下げる姿に「謝る必要なんてない!」「目頭熱くなった」
読売新聞 / 2024年8月8日 14時30分
-
3セーリング「銀」、祝福コメント続々「ルールわからんけど面白い」「目が離せなくなった」
読売新聞 / 2024年8月8日 21時33分
-
4熱戦を繰り広げたバレー男子日本代表が帰国 空港に詰めかけたファンからねぎらいの言葉
日テレNEWS NNN / 2024年8月8日 17時50分
-
5崩れ落ちた張本智和の「死んで楽になるなら…」発言に中国で擁護の声殺到「彼一人の問題じゃない」「物凄い重圧だったはず」
THE ANSWER / 2024年8月8日 19時3分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください