風上の後半に流れ変えた滝川二、プレミア勢の神戸弘陵破って決勝進出!:兵庫
ゲキサカ / 2017年12月1日 22時17分
[11.5 選手権兵庫県予選準決勝 神戸弘陵高 0-1 滝川二高 アスパ五色]
第96回全国高校サッカー選手権兵庫県大会の準決勝がアスパ五色で行われた。プレミアリーグWESTに所属する神戸弘陵高と、兵庫県リーグ1部を制してプリンスリーグ関西参入戦も勝ち抜いた滝川二高という強豪校同士が激突した熱戦は、滝川二が1-0で勝利。大会2連覇へ王手をかけた。
80分間を戦い抜いた両チームのシュート数は神戸弘陵が9本、滝川二が7本。実力的にも非常に拮抗したゲームで勝敗を分けたのは、わずかな差だった。滝川二に決勝点が生まれたのは後半17分。相手DFのクリアが小さくなったところを拾ったカウンターからFW長野裕次郎(3年)がPA付近までドリブルで突き進み、左足で放ったシュートは相手DFに当たりコースが変わってネットを揺らした。
リードされた神戸弘陵も33分、左サイド深くまで進入したMF上月翔聖(3年)の折り返しをFW竹村史明(3年)が中央で合わせるが、相手守備網を崩した決定機は無情にもポストに阻まれてしまった。
前半にペースを握ったのは神戸弘陵。4-2-3-1システムの左サイドに入ったFW住田翔(3年)が相手3バックの脇のスペースを突き、トップ下のFW竹村らも連動してゴールに迫る。
対する滝川二は背後やサイドのスペースを突かれて押し込まれたが「準々決勝で立ち上がりに失点している。今日も入り方は良くなかったけど、とにかく無失点で試合を進めることを考えた」(DF上出直人、3年)という守備陣を中心に耐えると、風上になった後半開始直後に長身FWの近藤有悟(3年)を投入。長野とツインタワーを形成して反撃に出る。
アンカーとして中盤から最終ラインのバランスをとり続けたMF朴光薫(3年)が「あそこで起点が増えて、後ろの選手も出て行きやすくなった」と話したように、前線へボールを入れてFWが力強く突き進む、もしくは味方へ落としてサイドを突くことで攻撃の回数と迫力が増していった。ゴール自体は運もあったが、それを呼び込む展開を作れていたことは間違いない。
敗れた神戸弘陵も見応えあるプレーを見せていた。普段はパスをつないでいくのがチームスタイルだが、この日は狙いとするスペースへボールを蹴って住田を走らせるという作戦を講じて、前半にペースをつかんでいる。
DF今井慈玄(2年)は「前半が良かったので後半も続けていこうとしたが、相手がやり方を変えてから流れが変わってしまった。DFとしても相手を捕まえづらくなってしまった」と振り返る。今年のチームは下級生の頃から試合出ている3年生が多く、特に攻撃陣は“神戸弘陵史上、最強の年代”とも評されている。全国でも上位を狙えるという自負を持って臨んだ大会だったが、県ベスト4での敗退となってしまった。
今井は「来年、この悔しさを晴らしたい」と言葉を振り絞ったが、今季はまだプレミアリーグWESTの試合が残っている。残り3試合で結果を出して、国内最高峰のリーグの残留をつかみ取りたい。
勝った滝川二は11月12日の決勝で関西学院高と対戦する。この2か月半、公式戦で無敗街道を歩む滝川二だが、最後に敗れたのが関学高とのリーグ戦だ。「結果、内容ともに完敗だった」(松岡監督)という試合から、チームは県リーグやプリンスリーグ参入戦などを勝ち抜いていった。決勝でリベンジを果たして、全国への切符をつかむ。舞台は整った。
(取材・文 雨堤俊祐)●【特設】高校選手権2017
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