[MOM2302]滝川二FW長野裕次郎(3年)_チームを兵庫決勝へ導いた高さと強さ、そして「心のこもったシュート」
ゲキサカ / 2017年12月1日 22時12分
[11.5 選手権兵庫県予選準決勝 神戸弘陵高 0-1 滝川二高 アスパ五色]
「次は決める」
その思いを込めたシュートは、相手DFに当たってコースが変わりながらゴールネットへと吸い込まれた。後半17分に決勝点となるゴールを決めた滝川二高FW長野裕次郎(3年)は、その少し前に訪れたGKとの1対1のチャンスを外していた。利き足とは逆の左足で放った2度目のチャンスが決まったのを確認すると、感情を爆発させながらベンチへと走って仲間たちと歓喜の和を作っている。
大きな身体をいかしたキープ力で攻撃の起点になるのが、彼に与えられた役割だ。この日のヒーローについて聞かれた松岡徹監督も最初は「デカいだけですよ(笑)」と冗談を飛ばしていたが、「スカウティングをして、この試合は高さが勝負になると思っていた」と期待を持ってピッチに送り込んだことを明かしている。
前半はチーム全体が自陣に押し込まれる展開に長野も苦しんだが、後半は風上に立ち、もう一人の長身FW近藤有悟(3年)が投入されたことも追い風となって存在感を高めていった。実は「高さはあるけれど、ヘディングはそこまで得意じゃないんです」と苦笑いを浮かべるが、相手DFとの空中戦や地上戦で競り負けない体格と強さはやはり魅力だ。
昨年度の全国選手権はスタンドで応援しており、最終学年となった今年も活躍の場はBチームだった。転機が訪れたのは夏から秋にかけて。Aチームに呼ばれて出場機会を得ていくと、県リーグ1部の終盤戦では3試合連続でスタメン起用された。
リーグ戦が終わった9月中旬に左足首をねんざしたが、1か月後に復帰し、今大会の準々決勝で公式戦のピッチに立っている。その試合も松岡監督は当初は起用するつもりはなかったそうだがが、取り組みや調子の良さを見て抜擢。「悔しい思いをしてきた中で、心のこもったシュートが決まった」とこの日の値千金のゴールを褒め称えている。
決勝戦の関西学院高は、リーグ戦でAチームに呼ばれて先発出場しながら得点が奪えず、チームも完敗した相手だ。「次こそ絶対に勝ちます。自分が点をとって、チームが全国へ行けるようにしたい」とFWとしてのプライドをのぞかせながら、雪辱を誓った。
(取材・文 雨堤俊祐)●【特設】高校選手権2017
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