“やっぱり違いを見せた”DF鈴木冬一、攻守に存在感も劇的同点弾は実らず
ゲキサカ / 2017年11月10日 14時8分
[11.5 Jユースカップ準々決勝 C大阪U-18 2-3川崎F U-18 NACK]
ピッチ上で圧倒的な存在感を見せた。セレッソ大阪U-18DF鈴木冬一(2年)は鋭い寄せで相手の自由を奪い、上下動を繰り返して攻撃に顔を出した。スピード、運動量、別格のパフォーマンスは「やっぱり違いを見せてきた」と敵将の今野章監督も唸るほど。左サイドバックで先発し、終盤に右サイドハーフにポジションを上げ、ここぞの場面でゴールを叩き込んだ。
1点を追う後半34分、エリア内でDF吉馴空矢(1年)のラストパスを呼び込むと、1度目の左足トラップは乱れ、2度目のボールコントロールから強烈な右足ハーフボレー。相手DFに当たったボールはゴールマウスへと吸い込まれた。「ポジションチェンジしたからには結果を残したいという思いでやっていた」。2点差から試合を振り出しに戻す劇的同点ゴール。仲間と共に喜びを爆発させ、サポーターも“冬一コール”で沸いた。
しかし、2-2の後半40分にPKを沈められ、再び1点差。最後まで献身的に走り抜くと、準々決勝敗退を告げるホイッスルが鳴り響いた直後、仰向けになってピッチ上に倒れ込んだ。あと一歩で勝利を逃し、「今日もW杯も最後に負けてしまったのは課題」と悔しさをにじませた。
U-17W杯インドでも、衰え知らずの走力で攻守に魅せた。ホンジュラス戦では後半45分、ロングフィードに走り込むと、寄せてくる相手を次々とかわし、右足シュートでダメ押し弾。イングランド戦では大会MVPに輝いた“マンCのメッシ”MFフィル・フォーデンとマッチアップ。相手の個人技に何度も体を投げ出し、粘り強いディフェンスで危険を消した。
日本戦以外はすべて3点以上を記録した優勝国を90分無失点に抑え、「PK戦に持ち込めたのは自信になった」と手応え。死闘を振り返り、「イングランド戦はコンパクトにして、守備陣4人と(GK谷)晃生が集中してやれてよかったですけど、今までサッカーをやってきた中で一番疲れましたね。食欲もなくなった」と笑った。
W杯で得た収穫をチームに還元する。今季は7月21日に2種登録され、セレッソ大阪U-23の一員としてJ3でもプレーしているが、出場2試合はいずれも終了間際の途中出場。「J3に関わるための土台作りをしていきたい」と気を引き締め、来季のさらなる飛躍を目指す。
(取材・文 佐藤亜希子)2017Jユースカップ特集ページ
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