100キャップ王手の長友があえて鳴らす警鐘「日本のサッカー界が危機感を」
ゲキサカ / 2017年11月9日 23時42分
10日の国際親善試合・ブラジル戦(リール)で史上7人目の国際Aマッチ100試合出場を達成する。左サイドバックで先発が確実な日本代表DF長友佑都(インテル)は節目の一戦を前にしても「普段と変わらない。100試合というより、ブラジルと対戦できる喜びが強い」と平常心を強調した。
08年5月24日のキリン杯・コートジボワール戦でのA代表デビューから9年半。過去に出場した99試合で最も印象に残っている試合を聞かれると、少し考えたうえで、「W杯で負けたコロンビア戦かな」と、グループ最下位での敗退が決まった14年ブラジルW杯グループリーグ最終戦のコロンビア戦(1-2)を挙げた。「あのときの悔しい思いは常に残っている。(99試合の中には)いい思い出もあったけど、そこが残っている」と、3年前の悔しさが今なお原動力になっている。
個人の記録でこそあれ、長友は指導者やチームメイトに感謝する。「チビで才能のない僕を監督が使ってくれて、仲間も信頼して、生かしてくれた」。多くの先輩たちの言葉も、今になって、その意味を理解できるようになった。
「中村俊輔さんや中村憲剛さん、遠藤(保仁)さんや(中澤)佑二さん。昔いろんな話をしてくれた。その人たちの言葉が今、パズルのようにつながってきている」
俊輔とは一緒にお風呂に入りながら語り合ったこともある。「俊輔さんには僕が代表に入ったときから厳しく言われてきた。『上がるタイミングがむちゃくちゃだな』って」と笑うと、「その当時は分からなくて、ただただ前に行くだけだった。でも今は、止まって見る世界がどれだけ広くて楽しいかというのを感じている」という。
一方で「僕のレベルで100試合出るというのは、日本のサッカー界が危機感を持たないといけない」と、あえて警鐘も鳴らした。「ブラジルだったら試合に出られていない」。現実として日本代表とブラジル代表の間に存在する差を認めつつ、「もっとビッグクラブで活躍する若い選手が出てこないと、世界では勝てない。イキのいい選手が出てくるのを待っている」と、若手の台頭を待ち望んだ。
(取材・文 西山紘平)
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