長友、史上7人目の100キャップ達成も…「今日のブラジルは本気じゃない」
ゲキサカ / 2017年11月11日 5時8分
[11.10 国際親善試合 日本1-3ブラジル リール]
0-3で迎えたハーフタイム。ロッカールームにDF長友佑都(インテル)の声が響き渡った。
「こういう大事な試合だからこそ、楽しんでいこうよ! 恐れることはない。失うものもない。前からいこうよ!」
長友にとっては日本代表史上7人目となる100キャップ目のメモリアルマッチ。ハリルホジッチ監督から「今日は佑都に任せる」と託されたキャプテンマークを腕に巻き、ゲームキャプテンも務めた。
「代表のキャプテンは長谷部さんですよ」という左サイドバックは「負けたけど、特に後半は楽しかった」と笑顔を見せ、「僕のサイドには(山口)蛍が来たり、(原口)元気が来たり、セットしたときはやられる気はしなかったし、後半は修正して恐れずに前から行けた。あのブラジルでさえ、後半は(大きく)蹴ってきた。センターバックが苦労しているのが分かった」と手応えも感じていた。
それでも、チームとして改善すべきと感じた課題は多い。とりわけ、慣れないビデオ判定でPKから先制点を決められたあと、精神的に動揺の見られる選手がいたことだ。事実、チームは7分後にMF井手口陽介のクリアミスから2失点目。その後も不用意にボールを失ってカウンターを受ける場面が多かった。
「ビデオ判定などは受け入れないといけない。そういうところで動揺しているとズルズル下がってしまうし、点を取られたあと、中途半端に上がったり、持ちすぎて失ったりしていた。精神的な部分で課題はできた」。世界トップレベルとの対戦が初めてという選手も多い中、発憤を促すように苦言も出た。
額面通りの評価はできないという思いもある。日本代表の現在地はどのあたりにあるのかという質問が出ると、「難しいなあ、それは」とつぶやき、しばし考え込んでから言った。
「ブラジルは本気じゃないでしょ。前半もふわっと入っていますしね。前にコンフェデレーションズ杯でやったときに比べて、威圧感が全然違いましたからね。100%ではない」。世界トップの“本気”を幾度も受け止め続けてきた、文字どおり百戦錬磨のベテランは最後に本音と取れる発言をし、表情を引き締めた。
(取材・文 矢内由美子)
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