[MOM2308]高松商MF伊賀龍太郎(3年)_主将としてチームを牽引、我慢の試合で光った守備の強さ
ゲキサカ / 2017年11月15日 23時48分
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.11 選手権香川県予選決勝 四国学院大香川西高 1-2 高松商高 ピカスタ]
四国学院大香川西高に打たれたシュートは自分たちの倍近い19本。高松商高にとって我慢の試合と言える展開の中、ボランチのMF伊賀龍太郎主将(3年)の奮闘がひと際、目立った。
中学まではポストプレーが売りのFW。高校2年生になり、ボランチにコンバートされた。「僕は技術的にそこまで上手くないので、球際の強さや守備の所を頑張りたい。中学の時に球際や対人の強さを身につけたのが、今でも活きている」と話すように武器は、守備の強さだ。
開始から守備の時間が続いた前半はかえって彼の特徴が活きやすい展開だった。香川西にGK中村将英(3年)からFW高木慎也(3年)へのロングフィードを何度も繰り返されたが、「高木にボールをおさめられても、そこで諦めるんじゃなくてプレスバックを狙っていた」と素早くアプローチ。ボランチを組むMF末久傑(3年)との息もピッタリで、伊賀が身体を寄せることで生まれるこぼれ球を3列目でうまく回収し続けた。
開始直後に先制点を奪った後半は、何度かセカンドボールを拾えない場面も見られたが、「セカンドの意識は最後まで強く保てた」と同点ゴールの回避に貢献。「今までの相手よりもプレッシャーが速くて、難しい部分があった」ため前半は少なかったが、後半は攻撃に絡む回数も増え、自陣でのボール奪取から相手エリアまでドリブルで持ち上がる場面も見られた。
「苦しい時間帯に失点せず、良い時間帯に点が獲れた。粘り強さが僕たちの長所」と笑顔を見せたように、再び訪れた我慢の時間帯を耐えると、後半25分には途中出場のFW横内和眞(3年)が2点目をマーク。終了間際にPKによる失点を許したものの、「伊賀は守備の部分で頑張っていたし、1対1でも負けていなかった」とMF堀内洋司(3年)が称えたように、県2連覇達成は伊賀の貢献が大きかった。
ホイッスルが鳴るまで頑張り続けるキャラクターは、ピッチ外でも同じで、「普段はふざけた奴がいれば、怒ったりする真面目な奴」(堀内)。ただ怒鳴るだけでなく、「個性は強いけど、勝ちたいという思いは一緒。個性を活かすためにガチガチにまとめるのは意識せず、自分たちがやりたいことをやらせてあげようという感覚でやっている。僕が声を張り上げるのではなく、自分たちがやりたいことをやらせてあげようとやってきた」と口にするように、伊賀がうまく手綱を捌きながら、個性あふれる今年のチームを上手くコントロールしてきた。
インターハイは結果を残せなかったが、夏以降は伊賀を中心としたチームのまとまりは目を見張る物があり、全国に向けての手応えは十分。「とりあえずはベスト8を目標にしているけど、県予選と一緒で目の前の試合を1試合1試合頑張りたい。昨年、先輩たちが成し遂げられなかった全国1勝をまず掴みたい」と目標を口にした。
(取材・文 森田将義)●【特設】高校選手権2017
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