[MOM2311]東海大熊本星翔DF國岡秀隆(2年)_夏の悔しさを糧に磨いた“新しい武器”で2点演出
ゲキサカ / 2017年11月12日 20時24分
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.12 選手権熊本県予選準決勝 東海大熊本星翔高 4-2 秀岳館高 熊本県陸]
積極的な攻撃参加と、左足のクロスで勝負した2年生SBが逆転勝利を演出した。第96回全国高校サッカー選手権熊本県予選は12日に準決勝2試合を行い、第1試合は東海大熊本星翔高が4-2の逆転で秀岳館高を下して決勝進出を決めた。
東海大星翔は先に2点を失ったが、徹底的にサイドからのクロスを狙って逆転に持ち込んだ。同点、そして逆転のゴールを演出したのは、左DF國岡秀隆(2年)だった。逆サイドまで抜ける低いクロスでFW一怜哉(3年)のスライディングシュートによる同点弾をアシスト。逆転ゴールは、浮き球を送ってMF中川大暉(3年)のヘディングシュートにつなげた。左足のクロスは、夏の悔しさによって磨かれて来た武器だ。
國岡は、夏のインターハイの全国大会で定位置を勝ち取った。当時、自分の武器はフィジカル能力だと思っていたという。サイドを駆け上がり、力強い突破を仕掛けるイメージだ。しかし、2回戦で対戦した市立船橋高(千葉)戦が考えを改めるきっかけとなった。
対峙したのは、身長162センチのSB吉田歩未(3年)だった。身長は國岡より10センチ近く低い。しかし、國岡は「かなり小さかったので、正直、(対人勝負になれば)余裕だろうと思っていたのに、当たったら吹っ飛ばされました」とU-16日本代表の経歴を持つ“小さな猛者”に力不足を思い知らされた。
「(フィジカルが)まったく通用しなかったので、新しい武器を考えないといけないと思って、クロスをかなり練習して来ました。コーチからは、GKとDFの間に速いボールを入れることを意識しつつ、時折高い(山なりの)ボールを狙うように言われています。バリエーションは増えたと思います。でも、今日はアーリークロスの質が悪かったです。相手は引いて守るサッカー。アーリークロスから点を取りたいと思って序盤から狙ったんですけど……」
國岡の言葉には、成長した自分をイメージする楽しさ、やって来たことへの自信、厳しい結果を直視する反省の色が混ざっていた。新たな武器は、まだ強化段階だ。しかし、手応えはある。この武器で、夢に描いているイタリアの地へ勝負をかけたいと思っているのだという。
「まだ、何も結果を出していないから、コーチに少し話をしている程度です。でも、短い期間でも良いからイタリアに行ってやってみたいです。足首を削るような球際の激しさの中で、自分のプレーを貫けたらもっと強くなれるんじゃないかと思っています」と國岡は、少し恥ずかしそうに話した。
今の自分の実力で何を言っているのか……と、思われても仕方がないと自認しているのだ。しかし、夢は誰かの許可を得て見るものではない。描いたら、実現のために進むのだ。あと1勝、全国大会に出られれば、そのチャンスは広がる。
(取材・文 平野貴也)●【特設】高校選手権2017
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