新鋭校の着実な成長…明秀日立が「節目で当たる」鹿島に快勝、3年連続の決勝へ:茨城
ゲキサカ / 2017年12月8日 23時20分
[11.12 選手権茨城県予選準決勝 明秀日立高 2-0 鹿島高 カシマ]
第96回全国高校サッカー選手権茨城県大会の準決勝が12日にカシマスタジアムで行われ、明秀日立高が鹿島高を2-0で下し、3年連続で決勝に勝ち上がった。19日の決勝では水戸啓明高と対戦する。
両チームは昨年の準決勝でも激突。その際は1-1から突入したPK戦の末に明秀日立が勝利した。そして新チームになって対戦した新人戦では決勝で対戦し、1-1で両校優勝。インターハイ予選では準々決勝で対戦し、鹿島が2-1で勝利。県リーグの対戦では1勝1敗と、近年は互角の戦いを繰り広げている。「節目でよく当たりますね」。両チームの監督は試合前にそんな話をしたという。
試合は明秀日立が開始6分のプレーで先手を奪う。左サイドを抜け出したMF及川央泰(2年)がクロスを入れると、ファーサイドでフリーになっていた主将DF深見凛(3年)が右足ダイレクトで蹴り込み、幸先よく先制に成功した。
勢いづいた明秀日立はその後も主導権を握り続ける。前半9分の右CKを頭で合わせたMF荒井慧伊大(3年)のシュートは枠上に外れるなど、追加点を奪うチャンスは逃したが、危なげなく前半を1点リードで折り返した。
そして待望の追加点は後半15分、左サイドの距離のある位置で得たFKをMF成島茉宏(2年)が大きく蹴り入れると、GKの前に走り込んだDF高嶋修也の頭にピタリ。勝利をグッと引き寄せる2点目を奪った。
攻めるしかない鹿島も後半26分に怪我でベンチスタートとなっていた10番MF久尾僚(3年)と7番MF清瀬郁哉(3年)を同時投入。反撃を試みるが、余裕を持った明秀日立の守備陣をこじ開けることは出来ない。同33分に胸トラップからFW川島唯都(3年)が狙った右足シュートも、枠を捕らえることはなかった。
明秀日立は野球の新鋭校としても知られる。昨年は横浜DeNAベイスターズにドラフト指名された細川成也外野手を輩出。そして先日まで行われていた秋季関東地区高校野球大会では、準優勝の成績を残して来春の選抜大会出場を決定的にした。「ものすごく意識している」と言葉に力を込めた萬場努監督。「いい刺激になっている。野球部に負けていられない」と対抗心を燃やした。
ただサッカー部の方は先に全国区になっており、2年前には茨城県を制して、全国選手権に初出場。1回戦で名門・四日市中央工高を破るなど、波乱を演じた。そして萬場監督も「今年のチームの方が上手」と手ごたえを語る。メンタル面に課題を残すというが、今大会を勝ち上がるごとに成長を見せる生徒たちに目を細める。
決勝の相手に決まった水戸啓明とは、新人戦の準決勝で対戦。1-0で勝利した相手で、リーグ戦は1勝1敗だが、苦手意識はない。「叩き潰しに行きたい」。昨年はPK戦で涙をのんだ明秀日立。2年ぶりに茨城県制覇へ、リベンジの舞台はもうすぐそこにやってくる。
(取材・文 児玉幸洋)●【特設】高校選手権2017
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