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「東京五輪への推薦状」第50回:背中で語れる「昭和の子」。中京大中京の“小さな巨人”本山遊大

ゲキサカ / 2017年11月13日 16時45分

中京大中京高の本山遊大

 2020年東京五輪まであと3年。東京五輪男子サッカー競技への出場資格を持つ1997年生まれ以降の「東京五輪世代」において、代表未招集の注目選手たちをピックアップ

「昭和の子です」

 中京大中京高を率いる岡山哲也監督はそう言って自慢の息子を紹介するように、10番・本山遊大について語り始めた。

「もう本当に『いまの時代にこういう子がいるんだな』と思わせるような一所懸命さとひたむきさを持った選手なんです。いろいろな人に観てほしい選手だと率直に思っていますし、観る人が観てくれさえすれば彼の良さは絶対に分かってもらえるという確信もあります。プレーであれだけ味方にメッセージを伝えられる選手はなかなかいませんから」(岡山監督)

 11月11日に行われた選手権愛知県予選準決勝・岡崎城西高戦では右サイドハーフとして先発。積極果敢なドリブルでの仕掛けで目立ち、決勝点も彼の単独突破からのアシストで生まれているが、攻めだけの選手ではない。相手ボールに猛然と襲いかかって奪い返し、スライディングタックルで窮地を救うシーンもあった。「ドリブルには自信を持っていますし、自分の武器はやっぱり球際の強さや運動量だと思います」(本山)。攻撃も守備も“全部やる”ようなスタイル、その源泉は中学時代にさかのぼる。

 大会の資料に記載されている前所属チームは「愛西市立佐屋中学校」。強豪クラブチームの名前がズラリと並ぶチームにあって、ちょっと目を惹くものだ。実際、「こういう言い方はあれですけれど、やっぱりチームの中では結構飛び抜けた存在だったと思います」と本山は振り返る。「もう守備は一人で走り回って頑張って、攻撃もドリブルで自分が持って行くしかないみたいな試合が多かった。でも、そのおかげで鍛えられたし、いまのプレースタイルになれたと思います。中体連にいたからこそ成長できた部分は絶対にあります」と言う。

 実は小学校時代にクラブチームからの誘いも複数あったというが、「自分は母子家庭で、まだ小さかった妹の面倒を見る必要もありました。だから夜に練習するクラブチームは難しかった。お金も掛かりますから」と笑って言ってのけた。だが、地元の中学校チームで着実に力をつけた男を観る人はしっかり観ていたようだ。「ずっとあこがれていた」という中京大中京から誘いの声が掛かり、高校年代では県を代表するチームでプレーすることとなった。「もう妹も大きくなったので、遅くまで練習していても大丈夫なんです」と言う。

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