センバツ優勝の野球部に「負けてられない」大阪桐蔭サッカー部、西矢健人主将「全国に大阪ありと見せたい」
ゲキサカ / 2017年11月21日 15時21分
211校208チームを勝ち抜いた大阪桐蔭高(大阪)。選手権出場は9年ぶりだが、プリンスリーグ関西で2位と勝ち点差「8」をつけて首位を独走するなど、実力は折り紙つきだ。抽選の結果、シードに入り2回戦からの登場に。星稜高(石川)や滝川二高(兵庫)、京都橘高(京都)といった全国区のチームが同居するCブロックに入った。「したたかで勝負強く戦ってくる相手が揃った」。MF西矢健人主将(3年)はトーナメント表を眺め、気を引き締める。
激戦区として知られる大阪府だが、その代表校は選手権で思うような結果を残せていない。「大阪が激戦区すぎるので全国では勝てないんだろうなと個人的には思っていた」と西矢は冗談めかすが、実際、最後に大阪に優勝旗がわたったのは1973年度の北陽高が最後となる。昨年度は東海大仰星高が7年ぶりに4強へ進出したことは西矢にとってもひとつの指標になったようで、「全国に大阪ありと見せたい」と気合い十分だ。
中田翔(日本ハム)らを輩出してきた強豪の野球部は今春のセンバツで全国優勝を果たし、吹奏楽部も全日本吹奏楽コンクールで何度も金賞を受賞する名門。身近に「刺激的」(西矢)な存在がいることが、成長をうながしたという。「(野球部が)春に優勝したときも『すげぇな』と思いましたけど、『負けてられないな』と思ってました。サッカー部も負けてへんでっていうのを見せるチャンスは、全国っていう舞台じゃないと野球部にも吹奏楽部にも肩を並べられませんし。素晴らしい学校の仲間とも切磋琢磨し合って、全国に行けたと思います」。
約1か月後に迫る選手権は、一サッカー選手としての挑戦でもある。「自分にプレッシャーじゃないですけど、ここ(選手権)でできなければ大学でも通用しないと思っているし、先はないぞという気持ちでやっていきたいと思います」。「最高の準備と最大の努力」を持論に持つキャプテンは、来るべき決戦を待ち焦がれている。
対する羽黒高(山形)も6年ぶりと久しぶりの選手権出場校だ。抽選会に参加したDF渡辺勇斗主将(3年)に抽選結果の印象を問うと「どこも自分たちより格上の相手なので、チャレンジャー精神で1戦1戦、戦っていきたいです」と謙虚に答えた。
昨年のインターハイには出場しているが、今年は準決勝で苦杯をなめた。「自分たちの代で地区でもタイトルを取ることがなくて、最後の選手権でタイトルを取れたのが何より嬉しいです。同時に、かかわってくれたすべての方に感謝を込めて、自分たちのサッカーを全国で見せつけていきたいと思います」。苦しんだ1年間の最後につかんだ大舞台を前に、自信ものぞかせた。
「大学では違う道に」と、サッカー選手として最後の大会になる可能性もあるという。家族も応援に駆けつける予定のキャプテンは「自分の集大成を親に見せられたら」と決意を新たにした。
(写真協力『高校サッカー年鑑』)
(取材・文 奥山典幸)▼関連リンク
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