[MOM492]関西学院大MF仲原潤也(3年)_“全試合出場”チームに欠かせないタフなファイター
ゲキサカ / 2017年11月23日 12時9分
[11.15 第95回関西学生L後期第7節 関西学院大4-0大阪学院大 三木防災]
稀に見る大混戦となった今シーズンの関西学生1部リーグ。関西学院大は4連敗を喫しており、ここで勝ち点を積み上げられなければ、全日本大学サッカー選手権大会(インカレ)どころか入れ替え戦に回る可能性も出てきてしまうという状況だ。対する大阪学院大は、6試合負けなしと好調。関学にとってはまさに正念場の一戦となった。
試合は積極的にゴールへ迫る姿勢を見せた関学大が、MF山本悠樹(2年=草津東高)、FW林部晃己(1年=C大阪U-18)のゴールで2点をリードして前半を折り返す。後半は大院大が押し気味に試合を進めるも、途中出場のFW中大路健(4年=洛北高)の活躍で関学大が2点を加え、5試合ぶりに勝ち点3を手にした。
大院大戦に臨むにあたり、選手だけで細かい部分を突き詰めてビデオミーティングを行ったことが成果となって現れた。
攻撃陣が躍動したこのゲームで、中盤で奮闘し無失点勝利に貢献したのが、MF仲原潤也(3年=C大阪U-18)だ。「今日は仲原が危ないところをことごとく潰してくれた」と高橋宏次郎ヘッドコーチが評したように、得点を狙って前に圧力をかけてくる大院大に対し、素早く身体を寄せ、幾度もボールを奪い取った。
関学大には仲原のほかにヘディングが強く左足のロングフィードが武器の宇都木峻(3年=佐野日本大学高)、技術があり賢いプレーで中盤のスペースを埋める海口彦太(3年=桐蔭学園高)、展開力と広い視野があり中盤で違いを作れる岩本和希(2年=G大阪ユース)とタイプの異なるボランチが揃い、激しくポジションを争っている。
その中で仲原は累積による出場停止となった前期・立命大戦を除くすべての試合に出場。どんな相手であってもあきらめず食らいつき、球際で負けない。運動量を生かしたプレッシャーで、敵に前を向かせない。小柄だが、誰よりも強い気持ちで闘う選手だ。
この日も「バイタルエリアを空けないことと、セカンドボールを奪えない時間帯に運動量を上げることを意識した」と自分の持ち味を生かした守備の部分で、大きな役割を果たした。
高橋ヘッドコーチが挙げた「奪ってから、もっと前に顔を出して得点やアシストという目に見える結果を増やしてほしい」という課題の部分は本人も承知しており、「シュートまで行ききる場面を増やせたら、もう少し楽に試合を進められた」と反省を口にする。
チームメイトが「自分で場を盛り上げるやつじゃないけれど、潤也の周りには常に誰かがいて、自然と笑顔になっていい雰囲気をもたらす」と話すように、サッカーにおいても華やかに目を引くプレーをする選手ではない。だが、ゲームの中で気を配り、周囲を助ける働きでフィールドを縦横に走り回るタフなファイターは、関学大というチームに欠かせない選手だ。
(取材・文 蟹江恭代)●第95回関西学生1部L特集
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