[MOM2345]桐蔭学園DF岩本卓也(3年)_長友目標のSBがU-18代表相手に奮闘。人生で「一番デカイ勝利」!
ゲキサカ / 2017年12月4日 8時53分
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.3 選手権神奈川県予選決勝 桐光学園高 0-0(PK4-5)桐蔭学園高 等々力]
16年ぶりに決勝戦で激突した桐光学園高と桐蔭学園高。伝統校対決で特に激しいマッチアップを繰り広げていたのが、桐光学園の左MF田中雄大主将(3年)と桐蔭学園の右SB岩本卓也(3年)だ。
立ち上がりはU-18日本代表の田中がその技術力と一瞬のスピードで優位に立つ。「予想以上に上手くて……」と苦笑いした岩本だが、自慢のフィジカルコンタクトの強さと50m走6秒台前半のスピードで相手の大黒柱が“目立つ”シーンを減らしていく。
「田中雄大は注目されている。試合で見ている限り上手くて対応できるかどうか分からなかった。前回の三浦(学苑)戦でも最後の最後で決めるという勝負どころに強いところがあったので、集中切らさずに田中雄大を自分が抑えて勝ちに行くんだという思いでやっていました」。
そもそも田中が中央で出てくることを想定していたために、左SHとして出てきたことに面食らったところがあった。その中で岩本は、田中が左サイドで出てきたのは自身が攻め上がったところの背後を狙う意図があることを理解。そして彼は普段と比べると、攻撃を大幅に自重する判断をする。
準決勝では非常にパワフルな攻撃参加を繰り返し、サイドから相手を押し込んでいた岩本だが、「試合状況とか見て、相手の守備が堅くて、ラインも低かったのでここは攻め上がるよりも、田中雄大を抑える守備に専念すべきだと思いました」。ベンチからは高い位置を取って裏へ抜ける指示もあったというが、強みを発揮できなくても、田中の攻撃力を防ぐことを徹底。相手の前に強引に身体をねじ込んで奪ったほか、右サイドで献身的なランニングを見せていた岩本は、後半半ばに田中がポジションを中央に移すまで決定的な仕事をさせなかった。
桐光学園は田中だけでなくMF西川潤(1年)やFW倉持快(3年)ら危険なアタッカーが複数いたが、桐蔭学園は集中した守備を継続。「チーム全体の気持ちや守備の強さがもたらした勝利かなと思います」と岩本。そして選手権予選で2年連続敗れている桐光学園からの勝利を「色々な人から全国行けよとか、桐光に負けるなよと言われていた。自分も桐光には絶対に負けたくなかったので、この勝利は18年間生きてきた中で一番デカイ勝利だったと思います」と胸を張った。
岩本にとって憧れの存在は日本代表DF長友佑都(インテル)だ。「自分の中で目標にしているのは長友選手。豊富な運動量であったり、あの身長でも球際で負けない身体の強さだったり、サイド攻撃のクロスの正確性であったりは見本。自分の自信のあるフィジカル、身体の強さとか、足の速さとか、体力とか存分に発揮してどんな相手でも負けないようなSBになりたい」。技巧派揃いの桐蔭学園の中でストロングポイントの強さ、速さを磨いてきたという岩本が、次は全国舞台でその武器を活かした対人の強さ、そして攻撃力も見せつける。
(取材・文 吉田太郎)▼関連リンク
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