「幸せな4年間」で得た“財産”とともに…仙台大MF山田満夫は再びプロの舞台へ
ゲキサカ / 2017年12月14日 0時22分
[12.13 全日本大学選手権1回戦 仙台大 2-3(延長) IPU・環太平洋大 上柚木]
「幸せな4年間でした」――。1回戦敗退が決まった仙台大(東北1)のMF山田満夫(4年=松本)は噛みしめるように、そうつぶやいた。元Jリーガーとして注目を集めた23歳は大学生活で得たモノを引っさげて、再びプロサッカーの世界に身を投じる。
IPU・環太平洋大との1回戦は、終始優勢を保ちながらも苦しい展開を強いられた。前半25分、唯一のピンチとなったセットプレーから失点すると、後半に立て続けのゴールで逆転するも、終盤に不運なPKで同点に。そうして迎えた延長後半、パスミスを起点としたカウンターからゴールを破られ、全国への挑戦はわずか1試合で終わった。放ったシュートは相手の3倍以上を数えていた。
中盤の底でチームを支えた山田は「立ち上がりの入りが良くて、自分たちのゲームはできていた。しかし、最後の勝負弱さが出てしまった」と落胆。「1点リードの後に守りに入ることは考えていなかった」と攻め続ける姿は果敢だったが、相手GKの度重なる好守を前に「決め切れなかった」ことが何より響いた。
それでも、その表情はすっきりとしていた。「すごく幸せでした。仲間に恵まれましたし、スタッフにも恵まれました。つらいことは思い浮かばなくて、良いことばかりでした」。高校卒業後に入団した松本山雅FCを1年で退団し、自ら選んだ大学サッカーというステージ。残ったのは「仙台大に来て良かったと、心から思う」という充実感だった。
元Jリーガーという肩書きに「たしかにそういう見方をしていた人もいた」のは事実。しかし、それよりも「気にせずにやっていればチームメイトも信頼してくれたし、自分も信頼することができた」と仲間の存在が大きかったという。
発表できるのは「まだ先です」とのことだが、今後は再びJクラブへ進路を選択。4年前は出番をつかめなかった舞台には、「昔はパスが持ち味だったが、ここでボールを奪うこと、ハードワークすることができる選手に育ててもらった」とパワーアップした姿で向き合う覚悟だ。
「このままでは終われない。1年目から試合に絡んで、チームに貢献したい。ここで支えてくれた人たちがたくさんいるので、良い姿を見せたいです」。仙台の地で新たに得た恩師、仲間、そしてスキル――。4年分の財産を携えて、新たなシーズンに臨む。
(取材・文 竹内達也)●第66回全日本大学選手権(インカレ)特集
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