[MOM2351]前橋育英FW飯島陸(3年)_「いるといないで全く違う」小柄なFW、攻守両面で別格の存在感放つ
ゲキサカ / 2017年12月16日 7時30分
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.15 高円宮杯プレミアリーグ参入戦1回戦 前橋育英高 5-0 京都橘高 東広島]
[12.15 高円宮杯プレミアリーグ参入戦1回戦 前橋育英高 5-0 京都橘高 東広島運動公園陸上競技場]
「いるといないで全く違う。良い選手ですよね」と名将・山田耕介監督が称えるように、前橋育英高(関東1、群馬)の10番を託されたFW飯島陸(3年)が放つ存在感は別格だ。
最大のストロングポイントは、相手DFの背後へ抜け出す動き。身長166cmと小柄な分、いかにフリーで仕事ができるかを意識しており、高校に入ってFWとしてプレーするようになってからは、「相手をいかに騙したり、タイミングが重要」と創意工夫を凝らしてきた。
そうした彼の武器を山田監督も一目置いており、「動き出しのタイミングは天性の物を持っている。オフサイドにならないように、スッと回り込んで飛び出せるし、自然と身体が動く。他の選手だとオフサイドに引っかかってるのが、彼は引っかからない。映像で見ると良さがより分かる」と絶賛する。
京都橘高(関西2、京都)と対峙したこの日は、彼の良さが最大限に活きた試合で、「裏への抜け出しを狙っていれば、CBが良いボールを出してくれる。自分が抜け出したら、チャンスになると思っていた」と振り返る。
試合開始から、自陣からのロングフィードや2トップを組むFW榎本樹(2年)が競り合ったこぼれ球を合図に、果敢な飛び出しを何度も披露。すると、前半4分には、GKのキックから相手DFの背後をとると、相手GKと1対1の場面を迎えた。「最初のチャンスで点がとれた」と悔やんだように、この好機はGKの足に阻まれ、ゴールとはならなかった。だが、彼の積極的な動きがチームの立ち上がりに勢いを与えたのは間違いない。
試合が進んでも動きの質は落ちず、前半20分にはもう一つの武器である高い守備意識で好機を演出。「守備もできないとFWとして生きていけないので、プレスバックはいつも狙っている。守備をすればチームが助かるし、高い位置で奪えれば速い攻撃ができるので、意識している」。京都橘のクリアが短くなったのを逃がさず、PA内でボールを奪うと、そのままゴール右隅にシュートを決めた。
足元でのボール回しが増えた後半は、シュートこそゼロに終わったが、チームメイトがボールを失うと、素早い攻守の切り替えでピンチを防ぐ場面が散見。本人は、「良いゲームだと思われるかもしれないけど、パスミスがあったり、まだまだな所はたくさんある。個人としても決める所で決めきれていない。上のレベルになれば、一発が大事になるので、ちゃんと決めていきたい」と課題を口にしたが、後半38分に交代でピッチを離れるまで、攻守両面で存在感を見せつけた。
先輩たちが3度も挑戦し、掴めなかったプレミアリーグ昇格を掴もうとする思いは強い。昨年度の選手権決勝で敗れた青森山田高が、この時期の試合を制し、選手権制覇に弾みをつけたのも彼の力となっており、「昨年は青森山田がプレミアのチャンピオンシップで勝って、勢いで優勝しているので、自分たちも勢いをつけたい」。この一年、全身全霊を捧げてきた選手権優勝を果たすためにも、次のジュビロ磐田U-18(東海2、静岡)での勝利はノルマ。飯島らしい飛び出しと守備で勝利に導いてくれるはずだ。
(取材・文 森田将義)●高円宮杯U-18サッカーリーグ2017 プレミアリーグ
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