[MOM2352]徳島ユースFW岩佐瞭希(2年)_動き出しと身体の強さ武器の点取り屋、見事な2発
ゲキサカ / 2017年12月16日 13時30分
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.15 高円宮杯プレミアリーグ参入戦1回戦 尚志高 0-2 徳島ユース 東広島運動公園陸上競技場]。
憧れの選手はFWガブリエウ・ジェズス(マンチェスター・C)。「クロスに入る動きやマークを外す動きが上手い」というブラジル代表のストライカー同様に、尚志高との一戦で、徳島ヴォルティスユースのFW岩佐瞭希(2年)が奪った2得点はいずれも見事な一撃だった。
「ボールがない所でのフリーランニングでチームにプラスをもたらせてくれる選手。相手のDFラインを押し下げるプレーをしてくれる」と羽地登志晃監督が評するように、岩佐の一番の長所を挙げるとすれば、鋭い動き出しだろう。
本人も「マークを外す動き、裏へ抜ける動きや、しっかりハードワークするのが持ち味。自分だけじゃなく、周りも活きるように意識している」と口にする。「自分が絶対に点を決めて勝ってやろうと強い気持ちで試合に挑んだ」と挑んだこの日もPAを積極的に狙いつつ、彼の動きによって、生まれたスペースを2列目が活用した。
だが、実際にチームを勝利へと導いたのは、その競り合いの強さ。武器であるマークを外す動きは、ヘディングの際にも活き、この日は169cmという身長以上の存在感を前線で見せた。最初のチャンスが訪れたのは前半31分。中央でのボール回しから、両サイドの突破する機会が多かったため、岩佐は「相手のマークをしっかり外して、クロスに合わせようと考えていた」。中央のMF桒原呂偉(3年)から左のMF山田誠人(2年)へとボールが渡った時点で、ニアに選手が集まっていたのを確認すると、がら空きだったファーサイドにポジションをとり、フリーでヘディングを叩き込んだ。
2度目のゴールは、後半28分。意識的にマークを外して、生まれた先制点とは違い、山田が左からクロスを上げたタイミングで、相手のマークが自然と外れたという。ボールが来た場所は、ゴールから距離が離れていたが、思い切りよく放ったヘディングシュートは、「運よくゴールに飛んでいった」(岩佐)。ラッキーな要素もある一撃だったが、相手に押される時間帯での追加点は、「自分的にもチーム的にも大きかった」と振り返るモノで、勝負の行方を決める一撃となった。
今でこそストライカーらしい9番が似合う点取り屋として、前線に君臨するが、今年の当初に与えられた役割は交代の切り札で、出番を得ても、後半からだった。しかし、夏で3年生FWが引退したため、彼の重要性が高まると、初めてスタメンの座を掴んだプリンスリーグ四国第7節の明徳義塾高戦でハットトリックを達成。以降は、残り試合全てで、スタメン出場を果たした。出場時間を伸ばすうちに、課題だったスタミナが増加。周りとの連携もよくなり、ゴール前に出ていく回数も増えたという。
この一年で決定機に絡むシーンが増え、ゴールを決める回数も増えてきた。結果と自信が出たことで、サッカーが楽しいと思える瞬間も増えてきた。だからこそ、より高いレベルでプレーしたいという欲も生まれており、「プレミアに上がると対戦相手のレベルが上がって、もっと楽しいサッカーができると思う」。強豪・流通経済大柏高(関東2、千葉)と対戦する2回戦は、苦しい時間が増えると予想されるだけに、彼がきっちりチャンスを活かせるかが勝負の行方を左右する。この日同様に岩佐が前線で躍動し、試合を楽しめることができれば、勝利がグッと近づくはずだ。
(取材・文 森田将義)●高円宮杯U-18サッカーリーグ2017 プレミアリーグ特集
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