「必ずジュビロに戻りたい」…1年生で全国決勝2度経験、法政大DFリーダー森岡陸の想い
ゲキサカ / 2017年12月25日 14時20分
[12.24 全日本大学選手権決勝 流通経済大5-1法政大 浦和駒場スタジアム]
必ずジュビロに戻りたい――。法政大DF森岡陸(1年=磐田U-18)は失意の全日本大学選手権(インカレ)決勝後、あらためて育ててくれたクラブへの愛着を口にした。高校時代に気付けなかった課題を見つめ直し、信頼を積み重ねてきたこの1年。ディフェンスリーダーとしての誇りを胸に、目の前の道をこれからも突き進む。
35年ぶりの優勝を果たした総理大臣杯に続き、2度目の日本一決定戦となったインカレ決勝は、森岡にとってほろ苦い結末となった。前日の発熱により、解熱剤を飲んでの出場。後半途中に退場者が出た中で5失点の敗戦に「守備が安定しなくて、こういう結果になってしまって残念」と肩を落とした。
すでに1年生とは思えないほど、大きなものを背負っている。4年生にも激しく指示を出し、ピッチ内の“司令官”的役割を自認。「最終ラインは年齢が近い選手も多いですし、僕が統率できていると思っていた。でも、決勝という舞台でみんなをまとめきれなかったのは自分の甘さですね」と敗戦の責任を背負った。
もっとも、そんなルーキーには周囲も信頼を寄せている。熱心なスカウトの末に獲得を決め、シーズン序盤から起用を続けている長山一也監督は「コーチングができて、1対1も粘り強い楽しみな選手。図太さというか、良い意味で周りを気にしないのが頼もしい」と太鼓判。チームメートも「お前がいないとダメだから」と声をかけるなど、能力とキャラクターを認めている。
その振る舞いの動機は、ユース時代の反省にあるようだ。「1年生から試合に出してもらっていたけど、崚真くん(DF石田崚真)とか力也くん(MF上原力也)とかすごい存在が上にいて、自分は付いていくだけ。それがトップ昇格につながらなかった原因だと思っているので、大学では1年から声を出してガンガン行くようにしています」。
そうして高めてきたチームへの当事者意識は愛着にもつながった。「このチームはすごく仲が良くて、『4年生のために』という気持ちが出ていた。だから、今日も本当に悔しかった。良いチームだからこそ、強いチームになってきたし、だから最後も泣けたんだと思う」と目頭を熱くしていた。
来季の目標はもちろん「今年は準優勝だったので、絶対に優勝」とのことだが、個人としても「全日本に入りたい」とステップアップを望む。さらに「今年1年で法政の評価も上がってきたと思うので、自分の評価も上げたい」というモチベーションの先には、中学時代から6年間を過ごした愛するクラブの存在がある。
「中学までめちゃくちゃ下手くそで、大木さん(大木武氏、2014年磐田U-18監督)が来てから自分の良さを引き出してくれた。マコさん(田中誠氏、15~16年同監督)がディフェンスの基礎を全部教えてくれて、名波さん(名波浩氏、磐田監督)がキックを教えてくれた。ジュビロに戻ってチームに貢献したい」
とはいえ、大学生活はようやく4分の1が終わろうとしている段階。35年ぶりの総理大臣杯優勝、10年ぶりのインカレ準優勝に導くなど、ここまでは順風満帆に思える道のりだが、今後は困難も待ち受けていることだろう。そこで支えとするのは同じく“里帰り”を果たした筑波大FW中野誠也(4年=磐田U-18)の存在。「誠也くんみたいに3年くらいに出戻りを決めたい」と、早期決断を迫るくらいの活躍を見せつける。
(取材・文 竹内達也)●第66回全日本大学選手権(インカレ)特集
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