[MOM2369]前橋育英MF須田晃輝(2年)_「育英で試合に出るため」、武器を加えた技巧派ボランチ
ゲキサカ / 2017年12月29日 23時8分
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.29 横山杯決勝戦 市立船橋高 0-1 前橋育英高 若松総合運動場]
各ポジションに複数の実力者がいる前橋育英高では、他の選手にもできるプレーだけではレギュラーを掴むことができない。それに気づいて、変わったボランチが横山杯で躍動。決勝戦でも攻守において貢献度の高いプレーを見せて、優勝を喜んだ。
ダブルボランチの一角として先発したMF須田晃輝(2年)は、市立船橋高の攻撃の中心となるボランチへのパスが入らないように徹底。「オレと(鏑木)瑞生で『潰す』と言っていた。そこへボールが出てもアプローチかけてボールを奪って、オレらが攻撃の起点になっていけばいいと言っていた」という須田は、クラブ・ドラゴンズ柏時代からのチームメートである鏑木とともに相手のパスワークを封じ込んでいた。
指揮を執った中島和哉コーチも「あの2枚が効かなかったら、ガンガンあそこ(相手ボランチ)に入れられてリズムを作られていた」と勝因に挙げていた彼らのプレー。守備でチームに流れを引き寄せた須田は、CB府川宙史(2年)の決勝点に繋がる直接FKなど、攻撃面でも強みを発揮した。
元々は足下でボールをさばいて、ロングパスを配球することが主だった。だが、「そういうことは(他のボランチも)結構みんなできる。それだけでは育英では試合に出られない。運動量を活かして前に絡んでいって、ボランチで点取れる選手になっていきたい」と須田。さばくだけのボランチであれば、他にもいる。だからこそ、今回の横山杯では走ることを強調し、ボールを奪うこと、飛び出しからゴールを奪うことを貪欲に目指してきた。
ハイパフォーマンスを見せた横浜創英高戦との決勝リーグ首位攻防戦などで信頼を勝ち取り、決勝戦もフル出場。中島コーチも「運動量を上げてきた」と評する新たな強みでアピールに成功した。その須田は「この大会で成長できたと思う。この遠征でも新人戦(でのチャンス)とか懸かっていると自分の中でも分かっていたので結果を出したかった」。一つアピールに成功した須田はさらに武器を磨いて、名門の中で確固たる存在になる。
(取材・文 吉田太郎)▼関連リンク
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