交代的中の米子北、逆転勝ちで2回戦へ! 山梨学院は注目FW加藤の先制弾生かせず
ゲキサカ / 2017年12月31日 22時12分
1点ビハインドとなった山梨学院は後半19分、人数をかけた美しい展開でゴールを狙う。右サイドのDF天野祐介(3年)からのロングボールを加藤が胸で落とし、左サイドのDF森田和樹(3年)が縦に突破。アーリークロスを合わせたMF野村海(2年)のヘッドは相手に防がれたが、FW宮崎純真(2年)、MF平松柚佑(1年)が立て続けにシュートを放った。
その後も山梨学院は、加藤を中心に攻撃を展開。主将として腕章を巻く坊主頭の大黒柱は、拍手とジェスチャーで味方を鼓舞し、全身を使ったアクションでボールを要求した。それに応えるかのように、同じ鹿島アントラーズジュニアユースつくば出身の後輩で、同じヘアスタイルの平松が次々とボールを奪取。ところが、激しく挟み込んでくる米子北守備陣を前に、なかなか危険な攻撃を繰り出せない。
後半24分、葉間田に代えてMF高橋諒(2年)を入れた米子北は同31分、坂田に代わってDF田中秀磨(1年)を投入。フォーメーションを4-4-2から5-4-1に代えて、逃げ切りにかかった。「練習試合で何度かやっていた」(中村監督)という選手権仕様のオプションは安定感を発揮し、押し込まれる時間帯もあったが、危なげない対応を見せた。
それでも山梨学院は後半35分すぎから、加藤を狙った猛攻を披露。警戒されながらも頭、胸にしっかり当ててマイボールにするエースに全てを託す形で、起死回生の1点を狙った。ところが、同36分にヘディングでつくったチャンスはファウルに終わり、同38分の裏抜けは相手DFがカバー。世代トップクラスのストライカーは最後までネットを揺らすことができず、悔しい1回戦敗退となった。
山梨学院の安部一雄監督は試合後、「今年のチームは加藤が何もかもしてくれると頼りすぎてしまった」と敗因を指摘。「もうちょっと違う引き出しがあれば……」と悔しさをあらわにした。それでも「1年生もメンバーに入ってきているので、来年はもっと面白いチームになるはず」と来季に期待を寄せた。
一方、米子北の中村監督は「ここまで研究してきたなかで、山梨学院さんは2トップを中心にまとまりのある良いチームだと思っていた。ここで勝っていけばチームが成長できると、対戦を楽しみにしていた」とリスペクトの気持ちを表現。選手起用とポジションチェンジで流れを変えたことについては「どの要素が効果的だったのかは分からないが、対応がうまくいった」と胸を張った。
(写真協力『高校サッカー年鑑』)
(取材・文 竹内達也)
●【特設】高校選手権2017
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