[MOM2376]米子北MF鍛治川友貴(3年)_途中起用で流れ一変!プラン通りの逆転劇を牽引
ゲキサカ / 2017年12月31日 19時40分
[12.31 全国高校選手権1回戦 山梨学院高1-2米子北高 ニッパツ]
出番が訪れたのは前半29分、ベンチスタートの背番号14が試合の流れを一変させた。強力な攻撃陣を擁する山梨学院高(山梨)に挑んだ高校選手権1回戦、米子北(鳥取)のMF鍛治川友貴(3年)はビハインドを取り返すためのスーパーサブとして登場。チームが記録した全2得点の起点となり、歓喜の逆転勝利を呼び込んだ。
米子北は前半23分、山梨学院高のエースFW加藤拓己(3年)にセットプレーから先制され、劣勢を強いられてしまう。そこで白羽の矢が立ったのは「早い時間から出番があるかなと思っていた」という鍛治川。「自分が流れを変えるしかないと思って、負けていたのでチャンスをつくろう」という思いでタッチラインをまたいだ。
そしてピッチに立ってからわずか2分後、さっそく結果を出した。鍛治川は中盤右寄りでボールを受け、右サイドにスルーパスを配給すると、走り込んだMF馬場琢未(3年)が高弾道のクロス。ファーサイドでMF坂田二千翔(3年)が頭で合わせ、チームにとって待望の今大会初得点を記録した。
「相手はSBがクロスに弱いと聞いていたので、サイドから攻撃できるようにパスを出そうと思っていた。トップ下で受けて、サイドにつけて逆サイドが仕留めるというプラン」。まさに、そんな言葉どおりの同点劇。さらにその後の前半も、約10分間でチーム唯一となるシュート2本を放つなど、積極性を見せつけた。
そしてハーフタイムが明けた後半7分、米子北は再び鍛治川を起点として得点を奪う。PA近くで前方にパスを送ると、MF佐野海舟(2年)が突進を開始。そのドリブルは相手GKに止められたが、FW葉間田累(2年)が落ち着いて流し込んだ。鍛治川は後半にもシュート2本を放つなど、途中起用で攻撃を牽引する堂々の活躍を見せ、試合後には「やってやったなという気持ちはすごくある」と笑顔を見せた。
ただ、その言葉の後には「けど……」がついてきた。今日のプレーを自己採点すると「50点くらい」といたって辛口。「もっと前を向いてドリブルをしかけながら、シュートの精度を上げていかないといけない」と、チャンスがありながら生かせなかった部分に反省点を見いだした。
また、中村真吾監督は別の課題も指摘する。「うまい選手なんですよ。でも、献身性が他の選手より劣るので、スタートからは出られていないんです」。もっとも、この日は終盤にオプションとして採用した5-4-1の左サイドで「与えられた役割は守ることだろうと思った」(鍛治川)と奮闘し、「すごく気持ちが乗っていて、しっかり動けていた」(中村監督)と上々の評価を得た。
ならば、それを継続するしかない。「これからどういう使い方になるかは分かりませんが……」という指揮官の言葉は期待の証。「自分としては、ゴールを狙ってチームを勝たせるようにしたい」と意気込むハイスキルなアタッカーは、目に見える“結果”を求めて2回戦に臨もうとしている。
(写真協力『高校サッカー年鑑』)
(取材・文 竹内達也)
●【特設】高校選手権2017
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