「年を越せて良かった」…“夏8強”の旭川実、宜野湾下して初戦突破
ゲキサカ / 2017年12月31日 20時21分
[12.31 全国高校選手権1回戦 旭川実高4-2宜野湾高 駒場]
第96回全国高校サッカー選手権1回戦が各地で行われ、埼玉・浦和駒場スタジアムでは2年連続6回目の出場となる旭川実高(北海道)と19年ぶり3回目の出場となる宜野湾高(沖縄)が対戦。前半を2-1として折り返した旭川実が後半に2点を加点すると、宜野湾の反撃を1点に抑えて4-2の勝利を収めて2回戦に駒を進めた。
前半2分にFW圓道将良(3年)のシュートでゴールを脅かした旭川実が、前半7分に先制に成功する。高い位置で相手選手からボールを奪い取ったFW西村歩夢(2年)がPA内に侵入すると、左足シュートでゴールにねじ込みスコアを1-0とした。その後も攻勢を掛ける旭川実は同12分、MF中田怜冶(3年)がPA内からシュートを放つもポストを直撃するなど追加点を奪えず。
一方の宜野湾は最終ラインのMF國仲洋秀(2年)が精度の高いフィードを左右に散らしてゴールに迫ろうとする。前半18分にはFW与那嶺琉(3年)のスルーパスから抜け出したDF照屋孝佳(3年)の狙いすました右足シュートがGK中塚勝俊(3年)に阻まれたものの、同28分に相手選手のパスミスを見逃さなかった与那嶺が中塚の股を抜くシュートでネットを揺らし、試合を振り出しに戻した。
一進一退の攻防が続く中、前半37分に旭川実が再びリードを奪う。右サイドからDF櫛部悠路(3年)が送ったクロスは相手選手に当たって軌道が変わったものの、落下点に入った圓道が迷いなく振り抜いた左足はボールにジャストミート。左足ダイレクトで合わせたボールは鮮やかにゴールネットに突き刺さり、スコアを2-1とした。
宜野湾の平田敦志監督が「何とか1-1で戻したかった」と悔やめば、旭川実の富居徹雄監督が「1-1のままいっていたら、どうなっていたか分からなかった」と振り返ったように、前半終了間際に奪った圓道の得点が旭川実に勢いをもたらし、後半立ち上がりに一気にリードを広げる。
後半9分、圓道のパスに走りこんだMF山崎蒼太(3年)のシュートはGK金城滉大(3年)に弾かれたものの、こぼれ球に反応したMF山内陸(2年)が蹴り込んで3点目。さらに同16分には相手のミスを見逃さなかった圓道がこぼれ球をゴールに流し込み4点目を奪い、リードを3点差に広げた。
3点のリードを許した宜野湾はDF仲原元気(2年)、FW田倉兆志(2年)、FW赤嶺結俊(2年)と交代カードを切って流れを引き寄せようと試みる。後半33分には、左サイドで切り込み役として存在感を放っていたMF名嘉眞颯(3年)のラストパスからMF富田勇人(2年)が決定機を迎えたが、シュートはゴールマウスを捉え切れず。だが直後の同35分、MF仲里啓夢(2年)が蹴り出したFKを富田が巧みにヘディングで合わせて1点を返した。
しかし、反撃もここまで。夏の高校総体で北海道勢として23年ぶりのベスト8進出を果たした旭川実が逃げ切り、4-2の勝利を収めて初戦突破を果たした。「年を越せて良かった」と安堵の表情を浮かべた旭川実の富居監督だが、「内容的にもそんなに良くなかったし、これじゃ次は勝てない。どう戦うかをしっかり整理したい」と2日に行われる日本文理戦に向けて気を引き締め直した。
(写真協力『高校サッカー年鑑』)
(取材・文 折戸岳彦)
●【特設】高校選手権2017
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