歓声と驚き交錯…FW城市のミドル弾を守り切った米子北、仙台育英の猛攻振り切り過去最高タイ16強へ
ゲキサカ / 2018年1月3日 20時29分
[1.2 高校サッカー選手権2回戦 米子北高1-0仙台育英高 ニッパツ]
第96回全国高校サッカー選手権2回戦が2日に各地で行われた。ニッパツ三ツ沢球技場では米子北高(鳥取)と仙台育英高(宮城)が対戦し、米子北が1-0で勝利。2014年度大会以来のベスト16進出を果たし、過去最高成績に並んだ。3回戦は3日に等々力陸上競技場で行われ、米子北は一条高(奈良)と対決する。
米子北は前線からの厳しいプレスで序盤の主導権を掌握。フィールドプレーヤー全員が足を止めない連動した守備から、鋭いカウンターを仕掛けてゴールに迫った。前半3分にはPA手前右でこぼれ球を拾ったFW城市太志(3年)が右足を強振。強烈なシュートがクロスバーの下部を叩いてゴールラインを割り、早くも先制に成功する。見事な一撃にスタンドでは歓声とどよめきが交錯した。
ほとんどパスをつなげなかった仙台育英は長いボールに活路を見いだすと、前半22分に後方からのロングパスを走りながら収めたFW角田海斗(3年)が左足でシュートを放つが、右ポストに当たる。米子北は同31分に先制ゴールの城市を下げ、MF鍛治川友貴(3年)を投入。1回戦の山梨学院高戦(2-1)に続き、再び早いタイミングで2人を交代させた。
1点リードで前半を終えた米子北は後半4分に決定機。MF馬場琢未(3年)のパスから鍛治川がドリブルで抜け出すも、体勢を崩しながら右足で放ったシュートはGK佐藤文太(1年)の守備範囲に飛んだ。
後半もいい入りを見せた米子北だが、後半7分にボランチのMF阿部優貴(2年)がアクシデントで交代を余儀なくされ、MF高橋諒(2年)を緊急投入する。2トップの一角だった鍛治川が中盤の底に降り、高橋が最前線に入った。
一方、仙台育英も阿部の治療中だった後半6分にDF神谷玲音(2年)、FW仲澤岬希(2年)に代えてMF千葉奨(3年)、DF堀江凛太郎(2年)をそれぞれ投入。正確な左足のキックを見せていたDF貝森海斗(3年)を左サイドハーフに1列上げ、攻勢に出る。
後半13には相手CKの直後、GK佐藤のフィードに千葉が抜け出すも、右足のシュートはうまくヒットせずにゴール左外へ。直後の同13分、角田に代えて181cmのFW菅井大翔(2年)をピッチへ送り出し、さらに前への圧力を強める。
後半の半ば過ぎからは仙台育英が完全に相手を押し込む展開。後半15分にはセットプレーの二次攻撃から、ゴール前でフリーとなったDF志村滉(2年)がヘディングシュートを放つ。しかし、GK佐藤壮太(3年)にセーブされ、同点のチャンスを逃す。その後も仲澤や志村が決定的なシーンを迎えるなど猛攻を仕掛けたが、相手の粘り強い守備を前にゴールを奪えない。
米子北は交代枠も使いながらセーフティーに時間を使い、1-0のままタイムアップ。立ち上がりに生まれた城市の1点を守り切り、過去最高成績に並ぶ16強入りを決めた。主将のDF三原貫汰(3年)は試合後、「ベスト8という大きい記録は意識せずに、ただ目の前の相手をしっかり分析して、どう戦うのかみんなで話して、明日の試合に臨みたいと思います」とコメント。2試合連続で接戦を制した勝負強さを武器に、同校の歴史を塗り替えられるか。
(写真協力『高校サッカー年鑑』)
(取材・文 阿部哲也)
●【特設】高校選手権2017
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