「今までで最高の1年間だった」 青森山田FW中村駿太が“高校サッカー”で得た財産
ゲキサカ / 2018年1月4日 6時50分
[1.3 全国高校選手権3回戦 青森山田高0-1長崎総合科学大附高 フクアリ]
「今までで最高の1年間だった」。青森山田高FW中村駿太(3年)は試合後、他の選手よりも短かった“高校サッカー生活”をそのように総括した。一大決心を経て過ごした日々は、けっして喜ばしいことばかりではなかったが、涙痕残るまぶたを優しく細めた姿は充実感に満ちあふれていた。
中村にとっての高校ラストゲームは、最後の最後まで濃密な時間となった。長崎総合科学大附高の後半アディショナルタイム、緑の背番号11はPA内でボールを左に持ち出し、フリーの状態からシュートを放つ。これが決まれば起死回生の同点弾――。しかし、ボールは無情にもゴールマウスを越え、その直後、高校サッカー生活の終わりを告げるホイッスルが鳴り響いた。
「いつもあと一歩のところで負けて、悔しい思いをしてきた」。無念の逆転負けを喫した高校総体、最終節まで優勝を争ったが届かなかったプレミアリーグEAST、そして3回戦敗退に終わった今大会。昨年度の選手権制覇とともに青森山田への移籍を決断したストライカーは、1年前に見ていた歓喜を経験できなかった寂しさを涙声で口にした。
そんな感情の陰には、3年時に柏レイソルU-18から突然移ってきた自らを温かく迎え入れてくれた周囲への感謝があった。「少しでもみんなに良い想いをしてほしかった。何度『ありがとう』と言っても足りないくらいです」。チームメートへの想いはとどまることなくあふれ出し、取材陣に対しても、何度も何度も仲間の存在の大きさを強調した。
「勝つためのチームをつくる準備をするなかで、その時間を共有できた」ことが一番の思い出だといい、そんな気持ちが冒頭の言葉につながった。また、その気持ちを“共有”したのは青森山田の仲間だけではない。「高校サッカーを通じて切磋琢磨してきた。お互いに負けないで、少しでも良いステージに進んでいきたい」と話すように、“高校サッカー出身者”という絆もこの1年間で得た財産だ。
「まずはプロサッカー選手として、少しでも長くプレーしたい。そして、これまで支えてくれた人に『ああ、中村駿太は頑張っているな』と思ってもらえるように努力したいです」。最高の1年間で得たものを引っさげて、中村は来季、モンテディオ山形でプロ生活の第一歩を踏み出す。
(写真協力『高校サッカー年鑑』)
(取材・文 竹内達也)●【特設】高校選手権2017
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