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「自分の頭で考えて選択肢を用意する」遠藤保仁最新刊から一部紹介!

ゲキサカ / 2018年1月5日 17時0分

遠藤保仁が伝授する予測能力の向上法

 MF遠藤保仁(G大阪)の最新刊『「一瞬で決断できる」シンプル思考』(本日発売)の中から一部を抜粋してお届けします。

 遠藤が見せる次の展開を読む力は、じつは練習のたまものであるというーー。

 ありがたいことに「未来が見えているようなプレーをする」と評されることがある。僕の1本のパスから相手の守備陣が崩れ、味方が華麗にシュートまで持ち込むような展開になると、そのような印象を与えるのかもしれない。

 たしかに、「自分がこういうプレーをすれば、こういう展開になるはず」と予測しながらプレーしているのは間違いない。その予測通りにプレーをして、ゴールに迫ることも少なくない。

 しかし、いつも予測通りになるとはかぎらない。そもそも相手が予測通りに動いてくれるとはかぎらないし、僕が自分の予測通りのプレーをしたとしても、味方との連携がうまくいかずにボールを失うこともある。むしろ9割以上は、予測通りにいかないといってもいい。

 試合中はめまぐるしく状況が変化していく。そうした状況を瞬間的に的確にとらえながら、予測と判断を繰り返し、それをプレーとして表現する。その繰り返しである。感覚としては、車の運転に近いかもしれない。あまり自覚はしていないかもしれないが、信号や道路標識、歩行者や他の車の動きなど、時々刻々と変わっていく状況の中、予測と判断を繰り返しているはずだ。

 そのため、試合中は体を動かしながら、いつも頭の中はフル回転の状態だ。中学時代の監督から「体が疲れるのは当たり前。頭が疲れる選手になりなさい」とよく言われてきた。よく状況を観察して、頭で考えて予測し、一瞬で判断し、プレーをしなさいということだ。その大切さはプロとなった今も変わっていない。

 プレー中はボールをもっているときも、もっていないときも常に先を予測し、3~4パターンくらいの選択肢をもつようにしている。ひとつの選択肢しかもっていなければ、その選択肢を敵に潰されてしまったとき万事休すである。

 たとえば、自分がこのスペースでパスを受けたとき、最もゴールに近い位置にいるFWのA選手にパスを出すか、それともA選手とは逆サイドにいるMFのB選手にパスを出すか、あるいは近くにいるC選手とパス交換して敵の動きをうかがうか、もしくは味方選手のマークがどれも厳しくパスを出してもボールを失う可能性が高い場合は、後方にいるDFにバックパスをして組み立て直すか……といった具合である。

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